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『ファミリー・アフェア』村上春樹おすすめ

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こんにちは、宮比ひとしです。

本日は村上春樹のおすすめ小説『ファミリー・アフェアについてご紹介します。

 

はじめに

 

妹がいる方にとって、幼い頃から生活を共にしてきた妹という存在は特別ですよね。

多少のワガママや生意気な口のききかたも、なんだか可愛らしく思えてきて、ついつい許してしまいます。

 

宮比にもツインテールのよく似合う小柄な妹がいます。

小さい頃から甘えん坊で、二十歳になった今でも「一人で買い物に行くの苦手だからついてきて」とせがんできます。

お菓子作りが得意で、先日も「彼氏ができたときのための練習に」とクッキーを焼いていました。

出来上がったクッキーを差し出し、「この前買い物付き合ってくれてありがとう。あ、勘違いしないでよ。わざわざお兄ちゃんへのお礼のために作ったんじゃないからね」と、照れくさそうに口を尖らして言うのです。

 

それがもう可愛くて可愛くて。

 

……はい、すみません。

全て妄想です。

残念ながら、脳内の妹しかおりません。

 

さて、実際に妹がいらっしゃる方は、共に暮らしていると嫌な部分もたくさん目の当たりにするかもしれません。

しかし、それを含めて愛おしく感じることはないでしょうか?

 

あなたにとって妹はいつまでも妹であり、それが変わることはありません。

 

そんな大好きな妹とも離れる日がいつかきます。

学校や会社の関係で、遠方に行かなければならないかもしれません。

とくに、離ればなれになることを実感するのは、妹が結婚するタイミングではないでしょうか。

そして、婚約者の存在。

 

長年一緒に暮らしてきたのに、突然現れた婚約者によって妹を奪われた感覚になりますよね。

 

仲が良いほど、その精神的な痛みは大きいです。

婚約者に非がなければ、怒りや哀しみのぶつけどころもありません。

 

そんな大好きな妹が婚約することによって、センチメンタル気味になってるあなたにおすすめの短編小説です。

 

『ファミリー・アフェア』基本情報

『ファミリー・アフェア』

(文春文庫『パン屋再襲撃』に収録)

 

作者…村上春樹

 

ジャンル…家族愛

 

ボリューム 

 

難易度 

 

『ファミリー・アフェア』登場人物

『ファミリー・アフェア』登場人物

 

酒と女遊びが好きな主人公

 

結婚することとなった主人公の妹

 

渡辺昇

妹の婚約者

 

『ファミリー・アフェア』あらすじ

『ファミリー・アフェア』あらすじ

 

僕と妹は五年前の春から二人暮らしをするようになった。

僕が二十二歳で就職し、妹が十八歳で大学に進学した年だった。

 

僕と妹は仲が良く、喧嘩もしたことはなかった。

 

ある日、妹はボーイフレンドである渡辺昇の写真を見せ、彼と婚約したことを僕に伝えた。

 

僕は渡辺昇のことを好きになれず、彼と結婚することを決意した妹そのものに対しても疑問を抱くようになる。

 

僕は酒や女遊びが好きないい加減な性格だった。

今まで妹は僕の生き方一緒になって楽しんでいたし、ある意味では憧れてもいた。

しかし、渡辺昇と付き合いだしてから彼女は世間体を気にするようになり、少しずつ僕を批難するようになっていった。

 

妹とは二十三年も付き合っているのに公正じゃないと僕が考えていたとき、渡辺昇が二人のアパートに夕食を食べに来ることになって……

 

『ファミリー・アフェア』作者

『ファミリー・アフェア』作者

 

村上 春樹(むらかみ はるき)

1949年1月12日-

日本、京都出身

小説家、文学翻訳家

 

早稲田大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を開く。

その後、経営しながら執筆した『風の歌を聴け』で群像新人文学賞を受賞しデビュー。

日本国外でも人気者で、現代アメリカでも大きな影響力をもつ作家の一人だと言われる。

翻訳も精力的に行い、スコット・フィッツジェラルド、レイモンド・カーヴァー、トルーマン・カポーティ、レイモンド・チャンドラーほか多数の作家の作品を訳している。

 

代表作…『風の歌を聴け』『ノルウェイの森』『1Q84』

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『ファミリー・アフェア』考察

『ファミリー・アフェア』考察

 

ファミリー・アフェア(family affair)とは、家庭内の出来事という意味です。

 

この小説は妹の婚約を通して、兄と妹の心情の変化を描いた作品です。

二人の距離感にリアリティがあるのが魅力。

 

主人公の僕と妹はいろんなことを正直に語り合える仲の良い兄妹でした。

 

例えば、僕のマスターベーションのことや、初めてコンドーム買ったときのことを妹は知っているし、逆に彼女の初潮のことや、初めてレースの下着を買ったときのことを僕は知っています。

二人の仲の良さをうかがうことができますね。

 

赤裸々に交際相手のことを相談したり、二人で宿泊旅行へ行ったりと、現実に仲の良い兄妹って見かけます。

当人にとっては何ら特別なことではありません。

なぜって、生まれてからずっと一緒にいるからそれが当たり前なのです。

 

『ファミリー・アフェア』では、妹が理由も語らず泣いている夜にただ寄り添ってあげたり、いけすかない婚約者に対して僕がわざと下品な行動をとったりと、どこの家庭でもありそうなエピソードが展開されます。

そんな仲の良い妹を失う哀しみと婚約者を受け入れなければいけない葛藤をユーモラスに描いた作品となっています。

 

仲の良い妹と離ればなれになることはツライことですが、幸せの一歩を踏み出すため受け入れなければいけないこと。

頭では分かっているのに気持ちが受け入れられない。

もしあなたが同じ境遇であるなら、この物語を読むことで妹の決意を理解し、婚約者への嫉妬が少しでも緩和されることを願っています。

 

本日は、村上春樹のおすすめ小説『ファミリー・アフェアをご紹介しました。

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

それでは、素敵なよりみちライフを。