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村上春樹、ジャンル別おすすめ書籍95選

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こんにちは、宮比ひとしです。
この記事では、村上春樹「ジャンル別おすすめ書籍95選」を紹介します。

作者概要として、「生い立ち、経歴」「作品の特徴」「文学賞受賞小説のまとめ」「エピソード」を解説。
おすすめ書籍については、「長編小説」「短編小説」「ミステリー」「ファンタジー」「恋愛」「初心者おすすめ」など、19のジャンルに分類して、まとめました。

ほぼネタバレなしのため、安心してお読みいただけます。
(「作品の特徴」の項目においては、少々ネタバレがありますのでご注意ください。)

また、前半部分は主に作風の解説となっていますので、おすすめ書籍だけ知りたいという方は、目次から「ジャンル別おすすめ書籍」をクリックして、そこからお読みいただくことをお勧めします。

村上春樹とは

村上春樹とは

村上春樹について、5つの項目に分けて解説します。

村上春樹

村上 春樹(むらかみ はるき)

1949年1月12日-
日本 京都府 出身
小説家、文学翻訳家

(画像は「Wikipedia」より引用)

村上春樹とは

1.生い立ち、経歴
2.作品の特徴
3.影響を受けた作家・作品
4.文学賞受賞小説のまとめ
5.エピソード

村上春樹の生い立ち、経歴

1949年、村上春樹は京都府京都市伏見区に生まれました。
国語教師である両親の影響もあり、幼少期よりアレクサンドル・デュマやジュール・ヴェルヌなどの小説に慣れ親しんでいたようです。

1964年、兵庫県立神戸高等学校に入学。
卒業後は1年の浪人生活を経て、映画脚本家志望として早稲田大学第一文学部の演劇専修へと道を歩みますが、レコード屋のアルバイトやジャズ喫茶に明け暮れ、しだいに大学へは通わなくなります。

1971年には、大学の席が隣だったことをきっかけに交際していた高橋陽子と学生結婚しました。
一時的に文京区で寝具店を営む高橋陽子の実家で暮らしながら、共にアルバイトで貯めた貯金と銀行の借入を資金にして、国分寺駅にあるビルの地下にジャズ喫茶を開業。
ちなみに、ジャズ喫茶「ピーター・キャット」は、飼っていた猫から名付けられました。

1975年、7年間在学していた早稲田大学を卒業。
ビルの増築に伴い、立ち退きを余儀なくされ、1977年にジャズ喫茶「ピーター・キャット」は千駄ヶ谷へと引っ越しします。

1979年、仕事の傍らに執筆していた『風の歌を聴け』が、アメリカ文学の影響による斬新な文体であると専門家に注目され、第22回群像新人文学賞を受賞しました。
『風の歌を聴け』は「群像」に掲載され、それが村上春樹の作家デビューとなりました。
(小説を書くようになったきっかけは、後ほどの「エピソード」にて紹介します)

1980年、『1973年のピンボール』が第83回芥川龍之介賞および第2回野間文芸新人賞の候補となり、その翌年にジャズ喫茶の経営を譲渡し、専業作家となります。

以後、小説に留まらず、エッセイや紀行文、翻訳書など、様々な分野の書籍を精力的に発表していきます。
中でも、ギリシャ、イタリアなどヨーロッパに滞在して書き綴った『ノルウェイの森』(1987年刊行)は、上下巻含め1000万部を超えるヒット作品となりました。
(文学賞を受賞した作品については、「文学賞受賞小説のまとめ」にて紹介)

1989年、『羊をめぐる冒険』の英訳版『Wild Sheep Chase』が出版。翌年、「米ザ・ニューヨーカー」に『TVピープル』が掲載されたことがきっかけとなり、国際的な知名度を向上させます。

1991年にニュージャージー州プリンストン大学の客員研究員として渡米し、1995年、アメリカから帰国します。
また、2006年にフランツ・カフカ賞及びフランク・オコナー国際短編賞、2009年にはエルサレム賞を受賞。

現在、代表作においては50ヵ国語以上翻訳される人気作家となり、日本の作家としては、ノーベル賞の最有力候補と言われています。

村上春樹の作品の特徴

村上春樹の作品の特徴を5つの項目に分けて、解説します。

作品の特徴

1.魅力的な比喩・暗喩(メタファー)
2.個性的な登場人物(キャラクター)
3.読みやすい文章
4.難解なストーリー

魅力的な比喩・暗喩(メタファー)

比喩とは、その物事を別の物事に例えて表現することです。
村上春樹の小説には、常人ではちょっと思いつかないような、魅力的かつユニークな比喩表現で溢れています。

ハッとするほど美しいものから、ニヤリと口元が緩んでしまうものまで多種多様。
挙げるとキリがないので、ほんの一例を紹介します。

村上春樹の比喩表現

でも今僕の前に座っている彼女はまるで春を迎えて世界にとびだしたばかりの小動物のように瑞々しい生命感を体中からほとばしらせていた。

『ノルウェイの森』より引用

これは『ノルウェイの森』の登場人物である緑という女性を小動物に例えているのですが、元気溌溂とした明るいイメージが伝わってきますね。

ただ、この比喩表現に唸ってしまう理由はもう一つあります。
以下をご覧ください。

村上春樹の比喩表現

彼女はまるで月光にひき寄せられる夜の小動物のように見えた。(中略)瞳は不自然なくらい澄んでいて、向こう側の世界がすけて見えそうなほどだったが、どれだけ見つめてもその奧に何かをみつけることはできなかった。

『ノルウェイの森』より引用

一方こちらは同作『ノルウェイの森』に登場する直子に対する比喩です。
直子は緑とは対照的に物静かで神秘的な女性であり、それを同じ小動物という比喩表現を用いて、巧みに二人の女性を対比させています。

村上春樹の比喩表現

窓の外では無音のうちに樹木が──ヒマラヤ杉と栗の木だ──まるで痒みに耐えかねる犬のようにその身をくねらせ、雲のかけらが目つきの悪い密使のように大急ぎで空をかけぬけ、向いのアパートのベランダでは何枚かのシャツが置き去りにされた孤児のようにビニールのロープにぐるぐると巻きついてしがみついていた。
まるで嵐だな、と僕は思った。

『ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界』より引用

思わず、どれだけ比喩いれるんだよって突っ込みたくなりますね。
通常「のように」が一文に三度も入っていると素人臭くなるのですが、この後に「まるで嵐だな」と続くことで、うまく調和させているように感じます。

村上春樹の比喩表現

まるで誰かが巨大なロースト・ビーフをのっぺりとした壁に思いきり投げつけたときの音のようだった。

『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』より引用

数多くある中、食べ物で例えた比喩表現が個人的には秀逸だと思っています。
誰もが容易にイメージできて、なおかつ正反対を指しているベクトルをグイッと捻ったような印象を受けますね。

巨大なロースト・ビーフ? のっぺりした壁に投げつける?
意味不明ながらも、この絶妙なチョイスによって、どんな音だろうかと想像力を掻き立てられてしまいます。

また、村上春樹の比喩表現を解説する上で欠かせないのが、隠喩(メタファー)です。
隠喩とは比喩表現の一種であり、物を例えること全般を意味する比喩に対して、隠喩は直接的に例えていることを意味する言葉を使わずに物を例えることを意味しています。

村上春樹は実に隠喩の使い方が巧みであり、サブカルチャー論で知られる精神科医の斎藤環は「隠喩能力を、異なった二つのイメージ間のジャンプ力と考えるなら、彼ほど遠くまでジャンプする日本の作家は存在しない」と述べています。

単にイメージの例えとして隠喩表現する場合もありますが、ここでいう村上春樹の小説の特徴としてのメタファーは、物語上のキーワードとして機能しています。

例えば、暴力や組織など擬人化した人物が登場したり、日本の古典文学やギリシャ神話をなぞらえて物語が進行することですね。
「難解なストーリー」の項目でも触れますが、このメタファーにより物語が難解だと感じる意見が少なからずあるのではないかと思います。

大半のメタファーは唐突に登場し、正体が明かされないまま物語は締めくくられますので、読者がメタファーの意味を考えたり、予備知識がないと解釈が困難ではあります。
ここらが、村上春樹の小説の好き嫌いが分かれる一つのラインのような気がしますね。

個人的には、メタファーは物語の解釈の一つとして捉え、シュールな世界観として楽しむのも一興かなとも思います。

個性的な登場人物(キャラクター)

村上春樹の小説には個性豊かなキャラクターが多数登場するのも特徴の一つです。
多くの小説家はキャラクター設計をした上で小説に取り掛かりますが、村上春樹はこのタイプではありません。
僅かな例外はあるものの、基本的にはストーリーの流れに沿って自然に形成されていきます。

物語が進行する中、「出てくる人々のあり様の軸みたいなものが自然に立ち上がり、そこにいろんなディテールが次々にくっつく」と本人も著書で述べています。
村上春樹の小説キャラクターが、テンプレート的でなく個性豊かと感じるのは、そのような工程を経て誕生しているためと言えるでしょう。

短編を含めると数えきれないほど存在しますので、テンプレート的でないとしつつ、以下の系統に分類し、キャラクターの特徴と名言を解説します。

登場人物の系統

1.孤独な主人公系
2.死に捉われた友人系
3.ハイスペックなイケメン系
4.生の象徴ヒロイン系
5.死の象徴ヒロイン系
6.巫女系
7.根源的な悪系

冒頭でほぼネタバレなしと書いていますが、この項目ではキャラクターの例を挙げ、物語の展開や人物の性質についてふれていますので、気になる方は読み飛ばしてください。

孤独な主人公系の特徴

孤独な主人公の一例

キャラクター名登場作品
『風の歌を聴け』
ワタナベトオル『ノルウェイの森』
始(はじめ)『国境の南、太陽の西』
多崎 つくる『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

村上春樹の小説に登場する「孤独な主人公系」について解説します。
短編長編と問わず多くの作品に、ほぼ共通する特徴として主人公が孤独な男性であることが挙げられます(もちろん例外もあります)。

まず、パーソナリティをいくつか列挙します。
年齢は20~30代。独身。
物事を主観的に断定することは少なく、常に落ち着いた物腰でクールな印象。
パスタを茹でたり、サンドイッチを作ったりと、料理をそつなくこなします。
クラシックやジャズ、ロックを好んで聴きます。

集団で群れることはなく、活発に行動するタイプではありませんが、他人とのコミュニケーションは(積極的ではないにしろ)そこそこ取り、孤独と言っても社会から疎外されているわけではありません。
ユーモアも持ち合わせており、女性にもよくモテます。

つまり、村上春樹の小説における孤独とは、物理的あるいは身体的ではなく、精神的な孤独をさします。
一見すると社会に順応しているようで、乾いた世界観と性描写がより主人公の喪失感を際立たせているよう感じます。

孤独な主人公系の名言
僕の名言

あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。
僕たちはそんな風にして生きている。

『風の歌を聴け』より引用

ワタナベトオルの名言

どのような真理をもってしても愛するものを亡くした哀しみを癒すことはできないのだ。どのような真理も、どのような誠実さも、どのような強さも、どのような優しさも、その哀しみを癒すことはできないのだ。我々はその哀しみを哀しみ抜いて、そこから何かを学びとることしかできないし、そしてその学びとった何かも、次にやってくる予期せぬ哀しみに対しては何の役にも立たないのだ。

『ノルウェイの森』より引用

始の名言

幻想はもう僕を助けてはくれなかった。それはもう僕のために夢を紡ぎだしてはくれなかった。空白はどこまでいっても空白のままだった。(中略)そしておそらく今度は、僕が誰かのために幻想を紡ぎだしていかなくてはならないのだろう。(中略)僕は力の及ぶかぎりその作業を続けていかなくてはならないだろう――だぶん。

『国境の南、太陽の西』より引用

多崎つくるの名言

人の心と人の心は調和だけで結びついているのではない。それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。痛みと痛みによって、脆さと脆さによって繋がっているのだ。悲痛な叫びを含まない静けさはなく、血を地面に流さない赦しはなく、痛切な喪失を通り抜けない受容はない。それが真の調和の根底にあるものなのだ。

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』より引用

死に捉われた友人系の特徴

死に捉われた友人の一例

キャラクター名登場作品
『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』
キズキ『ノルウェイの森』
五反田 亮一『ダンス、ダンス、ダンス』

村上春樹の小説に登場する「死に捉われた友人系」について解説します。
主人公の友人の中には自ら死を選ぶ者がいます。また、その理由は作中で明確に明かされることはありません。

親しい友人の死により主人公は深い喪失感を抱き、生きながらにして死の世界へと足を踏み入れてしまいます。
一例にあるように、この手法は度々繰り返されます。

死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。

『ノルウェイの森』より引用

この一文は太字で強調されており、損なうことによる生と死の境界線を描くことが、小説のテーマであるように思われます。
友人の死は、その境界線への扉の鍵として機能しています。

また、友人の死は村上春樹自身の実体験ではないかとする説もあります。
これについては、推測の域を脱しませんが。

死に捉われた友人の名言
鼠の名言

「みんないつかは死ぬ。でもね、それまでに50年は生きなきゃならんし、いろんなことを考えながら50年生きるのは、はっきり言って何も考えずに5千年生きるよりずっと疲れる。」

『風の歌を聴け』より引用

鼠の名言

「いつかは失われるものにたいした意味はない。失われるべきものの栄光は真の栄光にはあらず、てね」

『1973年のピンボール』より引用

五反田亮一の名言

「僕は自分の影を殺すみたいに彼女を絞め殺したんだ。僕は彼女を絞めてるあいだ、これは僕の影なんだと思っていた。この影を殺せば僕は上手くいくんだと思っていた。でもそれは僕の影じゃなかった」

『ダンス、ダンス、ダンス』より引用

ハイスペックなイケメンの特徴

ハイスペックなイケメンの一例

キャラクター名登場作品
免色 渉(めんしき わたる)『騎士団長殺し』
永沢『ノルウェイの森』
五反田 亮一『ダンス、ダンス、ダンス』

村上春樹の小説に登場する「ハイスペックなイケメン系」について解説します。
ここで述べるハイスペックとは、ルックスがよく、裕福であり、知性や社会的地位が高い、一般的に非の打ちどころのない男性をさします。
そもそも主人公自身が高学歴であったり、金銭的に余裕があったりと、一般人と比較するとスペックは高いことが多いのですが、もうワンランク上として描かれています。

例を挙げます。
白髪が似合うハンサムな資産家の免色渉。
東京大学法学部で後に外務省に入省する永沢。
便所で小便をしているところさえエレガントな映画俳優の五反田亮一。

物語上の立ち位置としては、主人公に対して一目置く友人というパターンが多いように思います。
ハイスペックな友人が登場し、絡ませることで、決して目立つタイプではない主人公を際立たせる役目を担っているのではないかと考えます。

また、村上春樹の小説における特徴として喪失感というワードを挙げるならば、前項にある主人公の孤独とはまた違う、彼ら「持つ者」としての立場、思考や苦悩などを示すことで、それを表現しているのではないでしょうか。

ハイスペックなイケメンの名言
免色渉の名言

「二度考えるよりは、三度考える方がいい、というのが私のモットーです。そしてもし時間さえ許すなら、三度考えるよりは、四度考える方がいい。ゆっくり考えてください」

『騎士団長殺し』より引用

永沢の名言

「現代文学を信用しないというわけじゃないよ。ただ俺は時の洗礼を受けてないものを読んで貴重な時間を無駄に費したくないんだ。人生は短かい」

『ノルウェイの森』より引用

永沢の名言

「自分がやりたいことをやるのではなく、やるべきことをやるのが紳士だ」

『ノルウェイの森』より引用

生の象徴ヒロインの特徴

生の象徴ヒロインの一例

キャラクター名登場作品
さくら『海辺のカフカ』
ユミヨシ『ダンス、ダンス、ダンス』
小林 緑『ノルウェイの森』
太った娘『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』

村上春樹の小説に登場する「生の象徴ヒロイン系」について解説します。
長編小説の特徴として、ダブルヒロインの形式をとり物語が進行することが多く、度々、生と死のメタファーとしてヒロインは描かれています。
「生の象徴ヒロイン系」は、次項で紹介する「死の象徴ヒロイン系」の対比としてカテゴライズされます。

活発であり、心身が健康、突発的な行動が多く、とりわけ性に対する好奇心が強いことが特徴として挙げられます。
その言動により主人公に活力を与えたり、現実世界へと導く(あるいは引き戻す)役目を担っています。

おさえておきたい点として、自分に自信が持てなかったり、親族を亡くしていたりと苦悩や哀しみを抱えている、ということです。
それでも闇に呑まれることなく、死を撥ねつける力があるからこそ、生の象徴として機能しています。

また、『ダンス・ダンス・ダンス』に登場するユミヨシは、村上春樹の小説の中でも特に人気を誇るヒロインです。
キャラクターが魅力的なことはさることながら、上記の特徴に当てはまらない点が多い(むしろ次項の「死の象徴ヒロイン系」に近い)にも関わらず、主人公と共に生きることを明確としたクライマックスに胸を打たれることが主な理由でしょうか。

生の象徴ヒロインの名言
ユミヨシの名言

「じっとあなたのことを見てたの。あなたが眠って夢を見て私の名前を呼んでるのを見てたの。真っ暗な中で。ねえ、何かを真剣に見ようとすれば、真っ暗な中でもちゃんと見えるものなのね」

『ダンス・ダンス・ダンス』より引用

小林緑の名言

「私が求めているのは単なるわがままなの。完璧なわがまま。たとえば今私があなたに向って苺のショート・ケーキが食べたいって言うわね、するとあなたは何もかも放りだして走ってそれを買いに行くのよ。そしてはあはあ言いながら帰ってきて『はいミドリ、苺のショート・ケーキだよ』ってさしだすでしょ、するとわたしは『ふん、こんなのもう食べたくなくなっちゃったわよ』って言ってそれを窓からぽいと放り投げるの」

『ノルウェイの森』より引用

太った娘の名言

「あなたがこれから行くことになる世界に私もついていくことができたらどんなに素敵だろうって思っているのよ」

『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』より引用

死の象徴ヒロインの特徴

死の象徴ヒロインの一例

キャラクター名登場作品
直子『ノルウェイの森』
白根 柚木(しらね ゆずき)『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
岡田 久美子『ねじまき鳥クロニクル』
小指のない女の子『風の歌を聴け』

村上春樹の小説に登場する「死の象徴ヒロイン系」について解説します。
特徴は、物静かであるが、何かしら辛い過去を抱えており、情緒が不安定となる点があります。(精神疾患を患っている場合もあり)

前項の「生の象徴ヒロイン系」とは対照的に、死の臭いを漂わせたり、別れを予感させたり、死の象徴として描かれており、主人公を苦悩させ、死の世界へ誘う役目を担っています。
「死に捉われた友人系」とも近い位置づけでありますが、主人公に与えるインパクトとしては「死の象徴ヒロイン系」の方が強く描かれているように感じます。

闇を抱えたヒロインというのは、どの小説も魅力的ですが、特筆すべきは『ノルウェイの森』の直子でしょうか。
直子は恋人の死をきっかけに心の病に侵されてしまう、いわゆるメンヘラ女子。
今でこそ珍しくありませんが、『ノルウェイの森』が刊行されたのは1987年であり、直子はメンヘラ女子の先駆けとも言えますね。さらに精神の病み(主人公の表現からすれば歪み)について、克明に描写されています。

また、友人の死と同じく、村上春樹自身の実体験ではないかとする説があります。
これについても、推測の域を脱しません。

死の象徴ヒロインの名言
直子の名言

「私のことを覚えていてほしいの。私が存在し、こうしてあなたのとなりにいたことをずっと覚えていてくれる?」

『ノルウェイの森』より引用

岡田久美子の名言

私はそうしないわけにはいかなかったの。(中略)私にはそれが本当のことなのかどうかまだ確信が持てないだけなの。だから今はまだそれを口に出すことができないの。

『ねじまき鳥クロニクル』より引用

小指のない女の子の名言

「ずっと何年も前から、いろんなことがうまくいかなくなったの。」(中略)「12、13……お父さんが病気になった年。それより昔のことは何ひとつ覚えてないわ。ずっと嫌なことばかり。頭の上をね、いつも悪い風が吹いているのよ。」

『風の歌を聴け』より引用

巫女系の特徴

巫女の一例

キャラクター名登場作品
佐伯『海辺のカフカ』
ふかえり(深田 絵理子)『1Q84』
笠原 メイ『ねじまき鳥クロニクル』
ユキ『ダンス・ダンス・ダンス』

村上春樹の小説に登場する「巫女系」について解説します。
特徴は、不思議な力を宿し、死の世界から主人公を救い出したり、新たなステージへと導く役割を担っている点です。
性格や容姿の特徴は様々ですが、10~20代が多く、作品を重ねるごとに年齢が低くなる傾向にあります。

また、巫女との性行為によって、主人公は導かれることとなるケースが多々ございます。
村上春樹の小説において、セックスはただの性交渉ではなく、通過儀礼のメタファーとして機能します。
メタファーの意味することが何なのか、それは「子供と大人」「生と死」「現実世界と異世界」など作品により様々ですが、その境界線を越える架け橋として巫女が存在するのです。

巫女系の名言
佐伯の名言

「あなたに私のことを覚えていてほしいの。あなたさえ私のことを覚えていてくれれば、ほかにすべての人に忘れられたってかまわない」

『海辺のカフカ』より引用

笠原 メイの名言

「人生ってそもそもそういうものじゃないかしら。みんなどこかしら暗いところに閉じ込められて、食べるものや飲むものを取り上げられて、だんだんゆっくり死んでいくものじゃないかしら。少しずつ、少しずつ」

『ねじまき鳥クロニクル』より引用

ユキの名言

「あなたは死というものを通して世界と繋がっているのよ、きっと」

『ダンス・ダンス・ダンス』より引用

根源的な悪の特徴

根源的な悪の一例

キャラクター名登場作品
ジョニー・ウォーカー『海辺のカフカ』
『羊をめぐる冒険』
綿谷 ノボル『ねじまき鳥クロニクル』
リトル・ピープル『1Q84』
白川『アフターダーク』

村上春樹の小説に登場する「根源的な悪系」について解説します。
「根源的な悪」は、名の通り悪の本質そのものであり、作品内では不思議な生き物や人間に憑りつく得体のしれないモノとして描かれています。

村上春樹の小説において、悪や暴力が重要なテーマとなっています。
現実世界では一部の人間の暴力的な行為(戦争や犯罪など)によって、人の命が失われたり、物が破壊されます。
それは特定の人物が原因ではなく、集団あるいは媒体に宿り転移していく思念のようなものとして提示しています。

「根源的な悪」という本来は形を持たないものを具現化して描くことで、メタファーは機能し、主人公は対峙することが可能となります。
そこには社会に属している我々に対するメッセージが込められているように思えます。
そのメッセージは、明快なものではなく、読み手に委ねられていますが。

また、「集合的あるいは普遍的無意識」「古代の根源的な闇の集団的な記憶」といった悪についての概念は、ユング心理学を基盤としており、そこにドストエフスキー、ディケンズからの影響がうかがえます。

巫女系の名言
ジョニー・ウォーカーの名言

「戦争が始まると、兵隊にとられる。兵隊にとられたら、鉄砲をかついで戦地に行って、相手の兵隊を殺さなければならない。君が人殺しが好きとか嫌いとか、そんなことは誰も斟酌しちゃくれない。それはやらなくてはならないことなんだ。さもないと逆に君が殺されることになる」

『海辺のカフカ』より引用

ジョニー・ウォーカーの名言

「私は死んだ。(中略)しかし私はまだ次の世界には入っていない。つまり私は移行する魂だ。移行する魂にかたちというものはない。私はただこうして仮のかたちをとっているだけだ」

『海辺のカフカ』より引用

綿谷ノボルの名言

「最初に君に会ったときから、私は君という人間に対して何の希望も持ってはいなかった。(中略)君たちが結婚してから六年経った。そのあいだに、君はいったい何をした? 何もしていない――そうだろう。君がこの六年のあいだにやったことといえば、勤めていた会社を辞めたことと、クミコの人生を余計に面倒なものにしたことだけだ。今に君には仕事もなく、これから何をしたいという計画もない。はっきり言ってしまえば、君の頭の中にあるのは、ほとんどゴミや石ころみたいなものなんだよ」

『ねじまき鳥クロニクル』より引用

読みやすい文章

村上春樹が紡ぎ出す文章は、シンプルかつリズミカルで読みやすいことが特徴です。
敷居の低さで心に訴えかける文章は、アメリカ作家のブローティガンとヴォネガットからの影響であり、作家活動初期から意識して行っていました。

もともと、デビュー作である『風の歌を聴け』において、万年筆と原稿用紙での執筆による「文学的」な出来具合に落胆していたことから、ある方法を試します。
英文タイプライターを使って、英語で書き上げ、さらに日本語に翻訳していくという試みでした。

そうすることにより、余計な装飾が削ぎ落され、シンプルな文章が誕生しました。
それは村上春樹オリジナルの文体であり、日本文学にとっても新たな文体として確立していきます。

また、新元良一『翻訳文学ブックカフェ』にて、「文章はリズムがいちばん大事」と村上春樹は語ります。
作家となる以前はジャズの飲食店を経営しており、小説でも度々とりあげられるように、ジャズやクラシックなど音楽の造詣が深いです。
それらが血肉となり、音楽を耳にするようにリズミカルで心地のよい文章が生み出されているのです。

難解なストーリー

村上春樹の小説は、読みやすい文章に対して、ストーリー難解とされます。
シュールな世界観かつ、結論付けしないまま物語は終焉を迎えることが多いため、論理的な解釈のみではストーリーの理解が困難と言えるのです。

「魅力的な比喩・暗喩(メタファー)」「個性的な登場人物(キャラクター)」の項目でも述べたように、解釈への道筋を導くためにはメタファーが鍵となります。
そもそも、なぜ村上春樹はメタファーを小説に取り入れるのか。(なぜ難解なストーリーを書くのか)

それは、村上春樹の作品では「生と死」「暴力と悪」など人間の根源的(あるいは普遍的)なテーマを取り扱うことが多く、明るい領域ではその本質は語れないことが理由となります。
つまり、人間の魂の暗く奧深い部分に移行するため、それもシームレスに移行するためにメタファーを機能させることが必要不可欠となります。

また、村上春樹は「総合小説」を目指していることを語っており、ストーリーを困難にしている一つの要因であると考えられます。
「総合小説」はもともと「全体小説」と呼ばれ、人間を取り巻く現実とともに総合的・全体的に表現しようとした小説を指します。

文章にすると難しいですが、主要人物だけでなく、周りの登場人物や環境をより掘り下げるイメージです。(現代小説ではあまり例がないですね)
村上春樹は「総合小説」の例として、ドストエフスキーの『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』を挙げており、いろいろな世界観を絡ませることで、新しい価値観を生み出すものだとし、長年に渡って追求し続けています。

影響を受けた作家・小説

村上春樹は、スコット・フィッツジェラルド、トルーマン・カポーティ、リチャード・ブローティガン、カート・ヴォネガット、レイモンド・チャンドラー、ドストエフスキー、フランツ・カフカを特に影響を受けた作家としています。
(翻訳家でもある村上春樹は、彼らの小説の翻訳にもいくつか関わっています)

中でも、スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』、ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』、レイモンド・チャンドラーの『ロング・グッドバイ(長いお別れ)』は、「これまでの人生で巡り会ったもっとも重要な本」として挙げています。

『グレート・ギャツビー』からはロストジェネレーションにおける心理描写、『カラマーゾフの兄弟』からは総合小説としての構造、『ロング・グッドバイ』からはキャラクター描写など、影響が色濃くうかがえます。

「影響と受けた作家と小説」まとめ

影響を受けた作家影響を受けた小説国籍
F・スコット・フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』アメリカ
レイモンド・チャンドラー『ロング・グッドバイ』アメリカ
トルーマン・カポーティ『遠い声、遠い部屋』アメリカ
リチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』アメリカ
カート・ヴォネガット『タイタンの妖女』アメリカ
スティーブン・キング『呪われた町』
『シャイニング』
アメリカ
J.Dサリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』アメリカ
グレイス・ペイリー『最後の瞬間のすごく大きな変化』アメリカ
ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』ロシア
レフ・トルストイ『アンナ・カレーニナ』ロシア
アントン・チェーホフ『チェーホフ全集』ロシア
フランツ・カフカ『城』チェコ
上田秋成『雨月物語』日本
夏目漱石『門』日本

「村上春樹が影響を受けた作家と小説のまとめ」は、影響を受けたと明言していないものも含まれています。
ただし、エッセイやインタビューなどによると少なくとも愛読しており、影響を及ぼしていると推察できるものをリストアップさせていただきました。

「もっと詳しく知りたい」「小説以外の影響を受けた書籍を知りたい」という方は、『BRUTUS特別編集 合本 村上春樹』がよくまとまっていますので、オススメです。

村上春樹の文学賞受賞小説のまとめ

村上春樹が受賞または候補となった文学賞について、「年号」「作品タイトル」をまとめました。

文学賞受賞小説」まとめ

年号作品タイトル文学賞(受賞・候補)
1979年「風の歌を聴け」「第22回 群像新人文学賞」受賞
「風の歌を聴け」「第81回 芥川龍之介賞」候補
『風の歌を聴け』「第1回 野間文芸新人賞」候補
1980年「一九七三年のピンボール」「第83回 芥川龍之介賞」候補
『1973年のピンボール』「第2回 野間文芸新人賞」候補
1982年『羊をめぐる冒険』「第4回 野間文芸新人賞」受賞
1985年『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』「第21 回谷崎潤一郎賞」受賞
1986年『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』「第17回 星雲賞」ノミネート
1988年『ノルウェイの森』「第23回 新風賞」受賞
1990年「TVピープル」「第17回 川端康成文学賞」候補
1996年『ねじまき鳥クロニクル』「第47回 読売文学賞」受賞
1999年『約束された場所で』「第2回 桑原武夫学芸賞」受賞
2006年「ハナレイ・ベイ」「第32回 川端康成文学賞」候補
「フランツ・カフカ賞」受賞
「めくらやなぎと眠る女」「フランク・オコナー国際短編賞」受賞
2007年「第77回 朝日賞」受賞
「第1回 早稲田大学坪内逍遙大賞」大賞
2009年『1Q84』(BOOK1)(BOOK2)「第63回 毎日出版文化賞」受賞
『1Q84』「第44回 新風賞」受賞
「スペイン芸術文学勲章」受賞
2012年『小澤征爾さんと、音楽について話をする』「第11回 小林秀雄賞」受賞
『ノルウェイの森』「第4回 名古屋文庫大賞」大賞
2017年『騎士団長殺し』「第52回 新風賞」候補
2023年「アストゥリアス皇太子賞 文学部門」受賞

村上春樹のエピソード

よく話題に上る村上春樹のエピソードを5つ紹介します。

エピソード

1.小説を書くきっかけ
2.イグザイル(故郷離脱)
3.阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件
4.エルサレム賞受賞スピーチ「壁と卵 – Of Walls and Eggs」
5.「趣味、好きなもの」まとめ

小説を書くきっかけ

1978年4月1日、明治神宮野球場にて行われたプロ野球開幕戦、「ヤクルトスワローズ」と「広島東洋カープ」の試合を外野席の芝生に寝そべり、ビールを飲みながら村上春樹は観戦していました。

最中、突然小説を書くことを思い立ったと述べています。
その時のことを克明に記憶しており、1回裏、ヤクルトの先頭打者デイブ・ヒルトンが左中間に二塁打を打ち、素速く一塁ベースをまわり、二塁へと到達した瞬間のことでした。
「空から何かが静かに舞い降りてきて、僕はそれをたしかに受け取った」と表現しています。

イグザイル(故郷離脱)

1986年10月、日本を離れてヨーロッパ(ギリシャ、イタリア、イギリス)に移住しました。
詳しい理由は明らかにしませんが、日本の文学界に論評に対しての失望感あるいは疲弊感によるものと推測。

その後1991年、ニュージャージー州プリンストン大学から客員研究員に招聘されたことをきっかけに渡米し、1995年6月に帰国するまでアメリカに滞在することとなります。
海外での生活を合計すると7年か8年ほどであり、この期間を「一種のイグザイル(故郷離脱)」と表現しています。

阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件

1995年1月、阪神淡路大震災。同年3月、地下鉄サリン事件。
この二つの出来事は、村上春樹に大きな影響を及ぼしました。

同年に帰国した村上春樹。
これまで社会問題を取り上げることがありませんでしたが、これを機に作風を変化させています。

地下鉄サリン事件による被害者やオウム真理教信者に対するインタビューをまとめたノンフィクション『アンダーグラウンド』(1997年)、『約束された場所で―underground 2』(1999年)。
阪神淡路大震災をテーマにした小説『神の子どもたちはみな踊る』(2000年)を執筆します。

突然社会的な題材を取ることに対して一部批判を浴び、その理由を村上春樹自身は「コミットメント」という言葉を使い説明しています。
今までの作風で大事にしてきたのは「デタッチメント(かかわりのなさ)」だったが、小説を書く上での新たなステップとして「コミットメント(かかわり)」となってきた、と。

長いイグザイルを経て、職業的作家として自身に何ができるか悩んだ末の結果と言えるのではないでしょうか。

エルサレム賞受賞スピーチ「壁と卵 – Of Walls and Eggs」

2009年、イスラエル最高の文学賞「エルサレム賞(Jerusalem Prize)」を受賞しました。
「壁と卵」とは、その受賞式において村上春樹がスピーチした内容を指します。
いわゆる、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を批判するものです。

日本国内では受賞式への出席辞退を求める声があり、イスラエルを訪れることで一方を支持することにならないかと悩んだが、欠席して何も言わないより出席して話すことを選んだ、と明かしています。

もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます。
そう、どれほど壁が正しく、卵が間違っていたとしても、それでもなお私は卵の側に立ちます。

(中略)

爆撃機や戦車やロケット弾や白燐弾や機関銃は、硬く大きな壁です。それらに潰され、焼かれ、貫かれる非武装市民は卵です。

(中略)

国籍や人種や宗教を超えて、我々はみんな一人一人の人間です。システムという強固な壁を前にした、ひとつひとつの卵です。

(中略)

我々の一人一人には手に取ることのできる、生きた魂があります。システムにはそれはありません。システムに我々を利用させてはなりません。

『村上春樹 雑文集』より引用

「趣味・好きなもの」まとめ


村上春樹の「趣味・好きなもの」と「ひとくちエピソード」をまとめました。

「趣味・好きなもの」まとめ

趣味・好きなものひとくちエピソード
マラソン、トライアスロン、スカッシュ墓碑銘があればこう刻んでもらいたい「少なくとも最後まで歩かなかった」と録する。
音楽(ジャズ、クラシック、ロックなど)過去にジャズ喫茶を経営。レコードが山のようにあり、妻から小言を言われる。
映画学生時代は年間200本以上の映画を鑑賞。
絵画『ガロ』の頃から佐々木マキのファン。
野球観戦ヤクルトスワローズのファン。自費出版で詩集を作ったことがある。
旅行ノモンハン、ギリシャ、アイルランドなど。旅行と言うか旅。
カキフライ、うどん、サンドイッチ、ビール、ウィスキーなど「カキフライ理論」考案。
Tシャツダンボールに山積み!
犬より猫派。

ジャンル別おすすめ書籍

ジャンル別おすすめ書籍

村上春樹のジャンル別おすすめ書籍を紹介します。
前述するように村上春樹の書籍(特に長編小説)は、ジャンルの分類が難しい(または重なる)ものが多いため、個人の主観によるものであることをご理解いただけると幸いです。

ジャンル一覧

1.長編小説
2.短編小説
3.掌編小説・ショートショート
4.ミステリー小説
5.ファンタジー小説
6.恋愛小説
7.初心者おすすめ書籍
8.ノンフィクション書籍
9.エッセイ書籍
10.対談書籍
11.紀行書籍
12.音楽書籍
13.読書案内書籍
14.自伝書籍
15.翻訳書籍
16.ホームページ書籍
17.絵本
18.写真集
19.漫画

長編小説 4選

村上春樹のおすすめ長編小説4選を紹介します。
活字量やテーマ性から総合小説としての特徴が大きい小説を中心にまとめています。
中でも、おすすめは『ねじまき鳥クロニクル』です。

ダンス・ダンス・ダンス

ねじまき鳥クロニクル

1Q84

騎士団長殺し

短編小説 7選

村上春樹のおすすめ短編小説7選を紹介します。
活字量が少なく読みやすい小説を中心にまとめています。

中でも、おすすめは以下となります。
・『中国行きのスロウ・ボート』より「カンガルー通信」「シドニーのグリーン・ストリート」
・『回転木馬のデッド・ヒート』より「プールサイド」
・『螢・納屋を焼く・その他の短編』より「納屋を焼く」
・『レキシントンの幽霊』より「氷男」
・『東京奇譚集』より「ハナレイ・ベイ」
・『女のいない男たち』より「シェエラザード」

中国行きのスロウ・ボート

回転木馬のデッド・ヒート

螢・納屋を焼く・その他の短編

レキシントンの幽霊

東京奇譚集

女のいない男たち

一人称単数

掌編小説・ショートショート 5選

村上春樹のおすすめ掌編小説・ショートショート5選を紹介します。
短編小説より少ない活字量で、お手短に読める小説を中心にまとめています。

中でも、おすすめは以下となります。
・『夢で会いましょう』より「インタヴュー」
・『象工場のハッピーエンド』より「ある種のコーヒーの飲み方について」
・『夜のくもざる』より「ことわざ」

夢で会いましょう

象工場のハッピーエンド

夜のくもざる

またたび浴びたタマ

村上かるた うさぎおいしーフランス人

ミステリー小説 3選

村上春樹のおすすめミステリー小説3選を紹介します。
ミステリーとしての特徴が大きい長編小説を中心にまとめています。
中でも、おすすめは『羊をめぐる冒険』です。

羊をめぐる冒険

アフターダーク

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

ファンタジー小説 5選

村上春樹のおすすめファンタジー小説5選を紹介します。
ファンタジー要素が強い長編または短編小説を中心にまとめています。
中でも、おすすめは長編小説『海辺のカフカ』、短編小説『神の子どもたちはみな踊る』より「かえるくん、東京を救う」です。

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

海辺のカフカ

街とその不確かな壁

TVピープル

神の子どもたちはみな踊る

恋愛小説 3選

村上春樹のおすすめ恋愛小説3選を紹介します。
恋愛要素が強い長編小説を中心にまとめています。
中でも、おすすめは『ノルウェイの森』です。

ノルウェイの森

国境の南、太陽の西

スプートニクの恋人

初心者おすすめ書籍 6選

村上春樹の初心者おすすめ書籍6選を紹介します。
小説、エッセイ、紀行文と様々なジャンルから、初めての方でも読みやすい書籍を中心にまとめています。

中でも、おすすめは以下となります。
・長編小説『風の歌を聴け』
・短編小説『カンガルー日和』より「4月のある晴れた日に100%の女の子に出会うことについて」
・『パン屋再襲撃』より「パン屋再襲撃」、「ファミリー・アフェア」
・エッセイ『ランゲルハンス島の午後』より「女子高校生の遅刻について」

風の歌を聴け

1973年のピンボール

カンガルー日和

パン屋再襲撃

ランゲルハンス島の午後

遠い太鼓

ノンフィクション書籍 2選

村上春樹のおすすめノンフィクション書籍2選を紹介します。

アンダーグラウンド

約束された場所で underground 2

エッセイ書籍 15選

村上春樹のおすすめエッセイ書籍15選を紹介します。
エッセイ(&イラスト集)を中心にまとめています。
中でも、おすすめは『村上朝日堂』、『村上朝日堂はいほー!』、『村上ラジオ』です。

村上朝日堂

映画をめぐる冒険

村上朝日堂の逆襲

THE SCRAP 懐かしの一九八〇年代

日出る国の工場

ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック

村上朝日堂はいほー

やがて哀しき外国語

うずまき猫のみつけかた 村上朝日堂ジャーナル

村上朝日堂はいかにして鍛えられたか

村上ラヂオ

村上春樹 雑文集

村上ラヂオ2 おおきなかぶ、むずかしいアボカド

村上ラヂオ3 サラダ好きのライオン

村上T 僕の愛したTシャツたち

対談書籍 4選

村上春樹のおすすめ対談書籍4選を紹介します。
対談およびインタビューに関する書籍をまとめています。

ウォーク・ドント・ラン 村上龍vs村上春樹

村上春樹、河合隼雄に会いにいく

夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです

みみずくは黄昏に飛びたつ

紀行書籍 6選

村上春樹のおすすめ紀行書籍6選を紹介します。
旅行、滞在記に関する書籍を中心にまとめています。
中でも、おすすめは『雨天炎天』、『辺境・近境』です。

雨天炎天

辺境・近境

もし僕らのことばがウィスキーであったなら

シドニー

東京するめクラブ 地球のはぐれ方

ラオスにいったい何があるというんですか?

音楽書籍 7選

村上春樹のおすすめ音楽書籍7選を紹介します。
エッセイや対談より音楽に関する書籍を中心にまとめています。
中でも、おすすめは『意味がなければスイングはない』です。

ポートレイト・イン・ジャズ

ポートレイト・イン・ジャズ2

意味がなければスイングはない

村上ソングズ

小澤征爾さんと、音楽について話をする

古くて素敵なクラシック・レコードたち

更に、古くて素敵なクラシック・レコードたち

読書案内書籍 1選

村上春樹のおすすめ読書案内書籍1選を紹介します。

若い読者のための短編小説案内

自伝書籍 3選

村上春樹のおすすめ自伝書籍3選を紹介します。
村上春樹自身の小説家としての在り方や家族についての書籍をまとめています。
中でも、おすすめは『職業としての小説家』です。

走ることについて語るときに僕の語ること

職業としての小説家

猫を棄てる 父親について語るとき

翻訳書籍 4選

村上春樹のおすすめ翻訳書籍4選を紹介します。

翻訳夜話

翻訳夜話2 サリンジャー戦記

村上春樹 翻訳 (ほとんど) 全仕事

本当の翻訳の話をしよう

ホームページ書籍 7選

村上春樹のおすすめホームページ書籍7選を紹介します。
ホームページに寄せられた質問の回答やCD-ROM付属の書籍を中心にまとめています。
中でも、おすすめは『村上さんのところ』です。

村上さんのところ

CD-ROM版 村上朝日堂 夢のサーフシティー

「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?

CD-ROM版 村上朝日堂 スメルジャコフ対織田信長家臣団

少年カフカ

「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?

「ひとつ、村上さんでやってみるか」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける490の質問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか?

絵本 7選

村上春樹のおすすめ絵本7選を紹介します。
おなじみ安西水丸、佐々木マキからドイツのイラストレーターまで、絵が多い書籍を中心にまとめています。
中でも、おすすめは『羊男のクリスマス』、『図書館奇譚』です。

羊男のクリスマス

ふわふわ

ふしぎな図書館

ねむり

パン屋を襲う

図書館奇譚

バースデイ・ガール

写真集 4選

村上春樹のおすすめ写真集4選を紹介します。
フォト・エッセイを中心にまとめています。

波の絵、波の話

PAPARAZZI

使いみちのない風景

辺境・近境 写真篇

漫画 2選

村上春樹のおすすめ漫画2選を紹介します。

村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」

HARUKI MURAKAMI 9 STORIES

最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、素敵なよりみちライフを。
今回のラストはこの言葉で締めたいと思います。

完璧なブログなどといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。