こんにちは、宮比ひとしです。
本日は、手塚治虫『人間昆虫記』を、才能ある人に嫉妬したときに読むおすすめ漫画として紹介します。
才能ある人に嫉妬したときに読むおすすめ漫画
才能に恵まれている人に嫉妬するときってないですか?
ってか、嫉妬しない人の方が珍しいですよね。
部活や仕事で自分よりも、うまくこなしてたりすんのを見たりした日にゃ、表面的には「へー、すごいじゃん」なんてすまし顔を演じてみせても、心の中ではコウメ太夫ばりに「チクショー!」って、なってるでしょ。
しかも、そいつが、ひとつだけじゃなく、ふたつもみっつも自分より秀でてたりしたら、どうよ。
自分は努力してんのに足元にも及ばなくて、他にも才能あるって恵まれすぎ。神様はエコひいきだ、なんて気持ちになりますよね。
宮比もそう。
嫉妬心が渦巻いて、渦巻いて、鳴門海峡の渦潮かってくらい豪快に渦巻いてます。
そんなとき、カービィのようにBボタンで吸い込むだけで、他人の才能を簡単に自分のものにできたらいいなー、なんて思っちゃったり。
その才能で世間から認められて、もてはやされて、また次に興味がわいたことが見つかれば、その才能を開花させていきたい。
さながら、羽化し続ける蝶のように。
しかし、それが果たしてそれが幸せなんでしょうか。
さて、そんな才能ある人に嫉妬したときに読むおすすめ漫画をご紹介します。
本日のよりみちコミックはこちら。
『人間昆虫記』
作者…手塚 治虫
ジャンル…サスペンス、社会風刺、エロス
ボリューム
難易度
ピカレスク度
ファーブル度
脱皮度
『人間昆虫記』登場人物
『人間昆虫記』の主な登場人物を紹介します。
十村 十枝子(とむら としこ)
出会った人物の才能を模倣し、蝶のように次々と開花させていく女性
水野 瞭太郎(みずの りょうたろう)
十枝子と恋人関係にあったデザイナー
蜂須賀 兵六(はちすか ひょうろく)
十枝子の模倣の才能に興味を持った元劇団テアトル・クラウの演出家
臼場 かげり(うすば かげり)
ノイローゼで自殺した小説家の卵
青草 亀太郎(あおくさ かめたろう)
臼場かげりの死の真相を追う週刊放言の記者
『人間昆虫記』あらすじ
十村十枝子が『人間昆虫記』で手にした芥川賞の受賞式の日、臼場かげりが自宅のアパートで首を吊って自殺した。
水野瞭太郎は十枝子にそのことを伝えたところを、週刊放言の記者である青草亀太郎がそれを目にする。
彼は『人間昆虫記』が臼場かげりからの盗作ではないかと勘繰り、スクープをものしようと躍起になっていた。
過去、女優として劇団のトップとして活動していた十枝子。
デザイナーの水野と恋人関係にあった当時、ニューヨーク・デザイン・アカデミー賞を受賞し、女優だけでなくデザインの分野としても才能を発揮し、マスコミを賑わせたことがあった。
取材を続けるうちに、亀太郎は劇団テアトル・クラウの演出家だった蜂須賀兵六に近づき演出の全てを模倣し、吸収していたことを知る。
女優、デザイナー、小説家と惜しげもなくベールを脱げ捨て才能を開花させる裏に、模倣され社会的な地位を失った者たちの存在が明らかになっていく中、十枝子は殺し屋を雇い、亀太郎を殺害するように依頼する……
『人間昆虫記』作者
手塚 治虫(てづか おさむ)
1928年11月3日-1898年2月9日
大阪府豊中市に生まれ、兵庫県宝塚市で育つ
漫画家
大阪大学医学専門部卒業で医学博士。
1946年『マアチャンの日記帳』でデビューし、『新宝島』が大ヒット。
日本のストーリー漫画の確立、アニメーションなど数々の功績を遺す。
代表作…『ブラックジャック』『火の鳥』『ブッダ』
『人間昆虫記』まとめ
凡人からするといくつもの才能に恵まれてる人って羨ましくてしょうがないですよね。
いくらこっちが努力しようと、てんで敵わない。
コウメ太夫のように心で「チクショー」って叫んでもおかまいし。
でも、本作の十村十枝子を知るとその思いも変わるかもしれません。
彼女は才能に恵まれながらも、その模倣する相手をおとしいれてしまってます。
それは無意識というか、彼女が望んだ結果ではない場合もあり、読み進めていくうちに同情に近い感情が芽生えることさえあります。
羽化し続ける蝶のように多くの才能に恵まれることが幸せなのか。
十枝子の考え方や生き方を通して考えさせられ、ラストシーンのセリフはきっとあなたの胸を打つでしょう。
ちなみにドラマ化もされています。
以上、才能ある人に嫉妬したときに読む漫画として手塚治虫『人間昆虫記』を紹介しました。
興味が湧きましたら、ぜひ手に取って読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、素敵なよりみちライフを。