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ロバート・マンチ『ラヴ・ユー・フォーエバー』母の日に読みたい絵本

ロバート・マンチ『ラヴ・ユー・フォーエバー』母の日に読みたい絵本
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こんにちは、宮比ひとしです。

本日は、ロバート・マンチ『ラヴ・ユー・フォーエバーについてご紹介します。

 

母の日に読みたい絵本

母の日に読みたい絵本

 

母の日と言えば、母親に対して日頃の苦労を労い、感謝を伝える日のことですよね。

感謝の言葉、花束を贈ったり、食事をご馳走したり、様々な気持ちの伝え方があります。

 

あなたは母の日に何かしていますか?

中には、感謝の思いはあっても照れくさかったり、今まで何もしたことがないから急にやることにためらいを感じる方もいますよね。

今回、そんなあなたに読んでほしいのは、母の日に「贈る」ではなく、「読む」ための絵本です。

読むことで、母親がどういう思いで自分を育ててくれたのか深く実感できるのではないかと思います。

さらには、生命には限りがあり、老いや病によって刻々とすり減っていきます。

母の日に感謝を伝えることができるのは、あとどれくらいなのか。

ためらっていたあなたの背中を後押ししてくれる作品。

 

親から子へと受け継がれる愛を物語った母の日に読みたい絵本をおすすめします。

本日のよりみちブックはこちら。

 

『ラヴ・ユー・フォーエバー』

『ラヴ・ユー・フォーエバー』

 

作者…ロバート・マンチ

絵…梅田俊作

訳…乃木りか

 

ジャンル…家族愛

 

ボリューム 

 

難易度 

 

『ラヴ・ユー・フォーエバー』あらすじ

『ラヴ・ユー・フォーエバー』あらすじ

 

お母さんは産まれたばかりの赤ちゃんを抱っこしながら歌います。

 

アイ・ラブ・ユー いつまでも

アイ・ラブ・ユー どんなときも

わたしが いきている かぎり

あなたは ずっと わたしのあかちゃん

 

赤ちゃんは大きくなり、2歳になりました。

家中を走り回り、本棚の本を引っ張り出したり、お母さんの時計をトイレに流します。

お母さんは時々、この子のせいで気が狂いそうだと叫びます。

 

坊やはどんどん大きくなって、9歳になりました。

夕ご飯は食べない、お風呂は入らない、お婆ちゃんに悪い言葉を使います。

お母さんは、動物園に売ってしまいたいと思います。

 

さらに、男の子はティーンエイジャーになりました。

変な友達を作り、変な服を着て、変な音楽を聴いています。

お母さんは、まるで動物園にいるみたいと思います。

 

しかし、どんなときも、夜になると眠る子どもを抱っこしながらお母さんは歌います。

 

アイ・ラブ・ユー いつまでも

アイ・ラブ・ユー どんなときも

わたしが いきている かぎり

あなたは ずっと わたしのあかちゃん

 

そして、少年は大きくなり、大人になりました。

大人になった息子は家を出て、隣町に住むようになり……

 

『ラヴ・ユー・フォーエバー』作者

『ラヴ・ユー・フォーエバー』作者

 

作)ロバート・マンチ(Robert Munsch)

 

1945年6月11日-

アメリカ・ピッツバーグ出身

作家、ストーリーテラー、教育者、講師

 

Fordham Universityで歴史学、Boston Universityで人類学、Tufts Universityで児童について学ぶ。

保育園の先生、University of GuelphのFamily Studies Laboratory PreschoolのHead teacherを務め、Bob Munsch Enterprisesを設立。

ストーリーテリングコンサートや学校を慰問し、朗読会を行っている。

30冊以上の著作があり、数々の賞を受賞。

 

代表作『おしっこでるよ』

 

絵)梅田俊作

 

1942年-

京都府丹後半島生まれ

画家、絵本作家、エッセイスト

 

代表作『とらねことじいちゃん』『よーいどんけついっとうしょう』『あんちゃんのたんぼ』

 

訳)乃木りか

 

1964年-

東京生まれ

横浜市立大学卒

ニューヨークのメディア関連会社に勤めた後、翻訳家として活動する。現在、二児の母。

 

代表作『子どもを幸せにする101の方法』

 

『ラヴ・ユー・フォーエバー』考察

『ラヴ・ユー・フォーエバー』考察

 

ラヴ・ユー・フォーエバー』を描く前、ロバート・マンチと妻は死産を経験していました。

苦境を乗り越えるため、自分自身に言い聞かせるようにしていた詩が絵本の始まりでした。

 

アイ・ラブ・ユー いつまでも

アイ・ラブ・ユー どんなときも

わたしがいきているかぎり

あなたはずっとわたしのあかちゃん

 

この歌を声にして歌うには、妻にとってあまりに酷だと考えたマンチは伝えることができません。

当時を振り返り、マンチはこう言います。

「この歌は、私の泣き声そのものでした」

2度の死産の結果、マンチ夫婦はもう子どもを産むことができないことを医師から告げられます。

児童福祉を志し、子どものために絵本を書き続けてきたマンチにとって、それは最も悲しい通告でした。

「誰かが歩いてきて、いきなりみぞおちを殴ってきたらどんな気持ちになると思いますか? その時は本当にそんな気持ちでした」

そうマンチは語ります。

 

その後、マンチ夫婦は3人の子どもを養子に迎えることを決断しました。

死産した2人の子どもたちを悼むためにも、マンチは子守唄のようにしてこの歌を静かに歌っていました。

マンチが普段物語を作るときは段階的に生まれることが多いのですが、そのときは突然頭に思い浮かびました。

こうして、作りあげられたのが『ラヴ・ユー・フォーエバー』だったのです。

 

母親に対して日頃の苦労を労い、感謝を伝える日である母の日。

感謝の言葉を言ったり、花束やプレゼントを今までしたことがない方も、この絵本を読むことで気持ちが少し変わるのではないでしょうか。

 

なにか贈りたいけど、なにをプレゼントすればいいか検討もつかないって方もいますよね。

カーネーションの花束を喜ぶ母親もいれば、花より食べ物の方がいいわという母親もおり、千差万別です。

きっとあなたが感謝の気持ちを口にするだけで満足する母親が大多数でしょうが、母のことを思い巡らせた時間こそかけがえのないものだと思います。

ネットで検索すれば、母の日のおすすめの贈り物がズラリと並びますが、あなたが母親のことを考え、伝える気持ちに勝るものはありません。

この絵本を読むことで、母親がどういう思いで自分を育ててくれたのか、今までの感謝をどう表せばいいのかを考えるきっかけになればと願います。

 

以上、親から子へと受け継がれる愛を物語った母の日に読みたい絵本としてロバート・マンチ『ラヴ・ユー・フォーエバーをご紹介しました。

本日は最後までお読みいただきありがとうございます。

それでは、素敵なよりみちライフを。