こんにちは、宮比ひとしです。
本日は、シエル・シルヴァスタイン『おおきな木』を、幼い頃からある木に寄り添って読みたい絵本として紹介します。
幼い頃からある木に寄り添って読みたい絵本
幼い頃から身近にあるものの存在って大きいですよね。
あなたはなにを思い浮かべますか?
両親や兄弟、幼馴染、ペット……生き物だけじゃないですよね。
育った家や、来る日も来る日も遊びにいった近所の公園、山、川。
それぞれ大切な思い出があり、他人には何ともなくても、その人にとっては特別な存在ってありますよね。
その中でも、木の存在感って抜群じゃないですか?
幼少期に見る木ってとても大きく、たくましく、それでいて優しい。
大いなる母的なイメージっていうんですかね。
宮比の実家の向かいに桜の木があって、木登りしたり、かくれんぼで幹の後ろに隠れたり、夏にセミを捕まえたりした思い出があります。
入学式には満開に花を咲かせた木の前で写真を撮ったりね。
そんな風にして見守られるようにして育ってきたわけですよ。
でもね、いつからか木で遊ぶことはなくなったし、目にするのはせいぜい桜が咲いた頃くらい。
寂しいことに木との思い出は年齢とともに薄れていってたんですね。
宮比は実家を離れ、木のことを思い出すことはサッパリなくなりました。
月日が経ち、実家に戻った時には桜があった場所は更地になってましたね。
桜は切り取られていました。
そのときになって、木のぬくもりや木漏れ日、木登りして見た景色がよみがえってくるんですよね。
ようやく、特別な存在だったって気づきました。
あなたもそんな経験ないですか?
さて、そんなあなたに幼い頃からある木に寄り添って読みたい絵本を紹介します。
本日のよりみちブックはこちら。
『おおきな木』
作者…シエル・シルヴァスタイン
訳者…ほんだきいちろう
ジャンル…ヒューマン
ボリューム
難易度
ぬくもり度
リンゴ度
号泣度
『おおきな木』あらすじ
少年とおおきなリンゴの木の物語。
少年とおおきな木はとても仲良しです。
少年は木登りしては、リンゴを食べ、疲れたら木陰で休みます。
木はそれが嬉しく、少年を追いかけるように幹や枝葉を揺らしました。
少年は成長し、青年となります。恋をしたり、家がほしくなったりします。
木は寂しい時間を過ごすことが多くなりましたが、少年の要求に対して、断ることなく枝葉や幹を差し出しました。
それでも、とても幸せでした。
時が経ち、少年は老人になって戻ってきます。
ですが、木にはもう何もありません。
「すまないねえ、ぼうや。わたしにはなんにもない。りんごもないし…」
そこで、老人はおおきな木に思いを告げました……
『おおきな木』作者
シエル・シルヴァスタイン(Shel Silverstein)
1932年9月25日-1999年5月10日
アメリカ合衆国・シカゴ生まれ・ミッドウェストで育つ
作家・イラストレーター・シンガーソングライター
ルーズベルト大学でパフォーミング・アーツ(舞台芸術)を学び、1970年にグラミー賞を受賞したジョニー・キャッシュのヒット曲「スーという名前の少年」の作詞を手がける。
代表作…『ぼくを探しに』『歩道の終わるところ』
『おおきな木』まとめ
小説もいいですが、絵本もいいですね。
それぞれの良さがあります。
宮比は絵本の良さは温もりにあると思います。
幼い頃に親や先生に読んでもらい慣れ親しんだ経験。優しい絵に心温まるストーリー。
そうでないのもありますが、小説や映画に比べてその傾向が強いかと思います。
さて、本作は少年の身勝手さに応える木の自己犠牲の精神、心が揺さぶられる話です。
ただね、この少年が特別に悪人というわけではないんですよね。
幼い頃から甘えられる身近な存在って、そばにいることが当たり前になり過ぎちゃってて、ときに残酷に接してしまうことってあると思います。
幼い頃に多くの時間をともにした大切な存在を思い出せない大人にこそ、ぜひ手に取ってみていただきたいです。
ちなみに、村上春樹による翻訳バージョンも出版されていますよ。
本日は、幼い頃からある木に寄り添って読みたい絵本として、シエル・シルヴァスタイン『おおきな木』を紹介しました。
興味が湧きましたら、ぜひ手に取って読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、素敵なよりみちライフを。