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佐野洋子『100万回生きたねこ』愛したことがない人が読む絵本

佐野洋子『100万回生きたねこ』愛したことがない人が読む絵本
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こんにちは、宮比ひとしです。

本日は、佐野洋子『100万回生きたねこ』「愛したことがない人が読む絵本」として紹介します。

 

愛したことがない人が読む絵本

今まで愛したことがない人が読む絵本

 

さて、突然ですが質問です。

あなたは今まで自分以外の誰かを愛したことがありますか?

 

どうよ。どうなのよ。

こういう質問に自信を持って「あります!」と答えられる人は少ないんじゃないかな。

「この質問が誰かを好きになったことがありますか?」だとしたら、きっと大半の人がイエスと答えますよね。

 

好きと愛、LIKEとLOVEの違いってなんでしょう。

いろいろあるかと思いますが、宮比は覚悟だと考えます。

赤子と親の関係のように奉仕の心。

そこにギブアンドテイクの概念が割り込む余地はありません。

見返りを求めず、労力、時間、金銭といった自分にとって大切なものを犠牲にできるか。

その人が助かるなら自分の命を捧げることができるか。

そこまでの覚悟があって、それは愛と呼べるのではないでしょうか。

 

まあ、あくまで個人的な意見ですけどね。

愛のかたちって人それぞれじゃないっすか。

かたちはそれぞれだろうけど、自分が自信をもって、愛してると思える人がいるって素敵なことです。

 

「そんな風に誰かを愛したことないなー」

「そもそも他人よりも自分の方が大事だし」

 

さて、そんな「愛したことがない人が読む絵本」をおすすめします。

本日のよりみちブックはこちら。

 

『100万回生きたねこ』

 

作・絵…佐野 洋子

 

ジャンル…家族愛

 

ボリューム 

 

難易度 

 

子だくさん度 

 

トラネコ度 

 

転生度 

 

『100万回生きたねこ』あらすじ

『100万回生きたねこ』あらすじ

 

死なないネコがいました。

100万回も死にましたが、100万回も生き返った立派なトラネコでした。

 

あるときは王様のネコとなり、あるときは泥棒のネコとなり、あるときは老婆のネコとなりました。

100万人の飼い主がそのネコを愛し、死んだとき泣きました。

けれども、ネコは一度も泣きませんでした。

ネコは飼い主のことが嫌いだったのです。

立派なトラ模様をした自分のことが好きでした。

 

すると今度は野良猫になりました。

野良猫となったネコは、たくさんのメス猫に愛されましたが、興味を示すことはありません。

自分だけが大好きだったからです。

 

ところがある日、ネコに無関心の一匹の白猫と出会い……

 

『100万回生きたねこ』作者

『100万回生きたねこ』作者

 

佐野 洋子(さの ようこ

 

1938年6月28日-2010年11月5日

中国・北京生まれ

絵本作家、エッセイスト

 

1962年、武蔵野美術大学デザイン科卒業し、イラストレーターとして勤務。

1971年に『やぎさんのひっこし』で絵本作家デビューする。

1974年『おじさんのかさ』で注目を集め、1977年『100万回生きたねこ』を刊行し、ロングセラーとなる。

 

代表作…『100万回生きたねこ』『わたしのぼうし』『神も仏もありませぬ』

 

『100万回生きたねこ』考察

『100万回生きたねこ』考察

 

いわゆる元祖転生物です。

え? ちょっと違う?

まあ、とにかく100万回死んでは復活したねこの話。

 

この作品は、愛したことがある方と、そうでない方とで読み終えたときの感想が異なると思います。

愛した経験がない方にとっては、愛することの大切さ。

愛した経験がある方にとっては、離れることの苦しさを痛切に感じるのではないでしょうか。

 

人の一生は儚いです。

誰かを愛することもなく終えることもあるでしょう。

それもその人の人生ですが、この絵本を読むと誰かを愛することができる一生ってとても貴重なんだと気づかされます。

死生観は人それぞれだから、何度も転生できることをすんなり受け入れられる人もいるでしょう。

けど、宮比はこの絵本のようにもし人を愛せなくても生まれ変わってやり直せたらいいなーと思ってはいますが、心の底では信じられません。

だからこそ、愛することの大切さをかみしめて、この限りある人生を大切に生きたいと感じます。

 

 

以上、「愛を知らない人が読む絵本」として、佐野洋子『100万回生きたねこ』を紹介しました。

興味が湧きましたら、ぜひ手に取って読んでみてください。

 

100万年も しなない ねこが いました。100万回も しんで,100万回も いきたのです。りっぱな とらねこでした。100万人の人が, そのねこが しんだとき なきました。ねこは, 1回も なきませんでした。読むたびにちがう気持ちになる、りっぱなとらねこの、ふしぎな物語。●週刊朝日書評「これはひょっとすると大人のための絵本かもしれないが、真に大人のための絵本ならば、子供もまた楽しむことができよう。それが絵本というものの本質であるはずだ。そして『100万回生きたねこ』は、絵本の本質をとらえている。」●日本経済新聞「こどもの本」書評「 このとらねこ一代記が、何を風刺しているかなどと考えなくても、すごいバイタリティーをもって生き、かつ死んだ話をおもしろいと思ってみればよいと思う。上級から大人まで開いてみて、それぞれに受けとめられるふしぎなストーリーでもある。飼い主へのつながりが無視され、前半と後半が途切れているようで、みていくとつながってくるふしぎな構成である。」

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、素敵なよりみちライフを。