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『黒い家』あらすじ

『黒い家』あらすじ
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こんにちは、宮比ひとしです。

本日は、逆恨みを受けたときに読むホラー小説として貴志祐介『黒い家』をご紹介します。

 

逆恨みを受けたときに読むホラー小説

逆恨みを受けたときに読むホラー小説

 

さて、人から恨まれるってそれだけで不快ですが、逆恨みの不快感はこの上ないですよね。

なにせ身の覚えがないところで恨まれちゃっているんですから。

もうね、不快を通り越して腐海ですよ。

瘴気マスクなしで腐海をうろつく気分。

このまま腐海にのまれて滅びるよう定められた種族なのか、って具合に。

 

学生時代にこんなことがありました。

友人に平井堅ばりに堀の深い男がいたんですよ。

堅には付き合っている彼女がいて、その彼女がある日を境に宮比のことをやたら見てくるんですよね。

チラチラチラ。

というか、チラチラどころか少女漫画かってくらいの熱視線。

これでもかってくらいのトキメキ熱視線。

鈍感な宮比でもさすがに「もしや、これは気があるんじゃないか」って思いつつ、堅に悪いなって思いつつ。

そしたら、堅が申し訳なさそうに打ち明けてきました。

「この前さ、みんなで食事行ったじゃん。その子と浮気しちゃって。それが彼女にバレちゃって」

先日食事したメンバーの一人とあらぬ関係のカミングアウトからの、同席していた宮比がそれをセッティングしたかのカミングアウトからの、浮気を推奨したかのカミングアウト。

 

おい!

チラチラではなくギラギラでした。

トキメキ熱視線ではなく、邪眼のごとき呪いのギラギラ熱視線だったわけですね。

ああ、納得。

いや。納得じゃないよ。

同席したことは認めるけど、他は全部誤解じゃないですか。

同情するけど、それ逆恨み。

 

ということで、自分が原因で恨まれるならまだ納得いきますが、恨まれ損の経験がありました。

このときは、邪眼以外の被害は及びませんでしたが、その相手がサイコパスの超危険人物だったとしたらゾッとしますよね。

しかも、一人暮らしのアパートに、刃物片手に現れたとしたら!

 

さて、そんな逆恨みを受けたときに読むホラー小説をおすすめします。

本日のよりみちブックはこちら。

 

『黒い家』

『黒い家』

 

作者…貴志 祐介

 

ジャンル…サイコホラー、サスペンス

 

ボリューム 

 

難易度 

 

『黒い家』登場人物

『黒い家』登場人物

 

若槻 慎二

保険会社の社員である主人公

 

菰田 幸子

重徳の再婚相手

 

菰田 重徳

障害給付金を偽装する幸子の夫

 

黒沢 恵

若槻の恋人

 

葛西 好夫

若槻の上司

 

松井刑事

金沢中警察署の刑事

 

三善 茂

元暴力団の保険会社社員

 

『黒い家』あらすじ

『黒い家』あらすじ

 

生命保険会社「昭和生命」の京都支社で働く社員の若槻慎二。

日夜、保険金の支払い査定に忙殺されていた。

そんなある日、顧客である菰田重徳から電話を受け、家に呼び出される。

そこで、目撃したのは菰田の子供の首つり死体だった。

 

第一発見者となった若槻。

菰田の反応に不審に思いながらも、ほどなくして多額の死亡保険金が請求される。

菰田は以前にも指の切断によって保険金を受け取っていたことがあることと、執拗に保険金を請求する不自然な態度に、若槻は偽装殺人ではないかと確信し、独自調査に乗り出す。

 

若槻が菰田の再婚相手である幸子に注意を勧告する手紙を送ったことがきっかけで、彼女は昭和生命にたびたび姿を現すようになった。

あまりに常軌を逸した雰囲気の幸子に、保険金殺人を計画した主犯格は彼女自身ではないかと推察する。

そして、保険金がなかなか下りないことに苛立ち、若槻に対して逆恨みした幸子がとった行動は……

 

『黒い家』作者

『黒い家』作者

 

貴志 祐介(きし ゆうすけ)

1959年1月3日-

大阪府大阪市出身

小説家

 

京都大学経済学部卒。

1996年『ISOLA』で日本ホラー小説大賞長編賞佳作を受賞し、『十三番目の人格‐ISOLA‐』と改題してのデビュー。

1997年『黒い家』で日本ホラー小説大賞。

2005年『硝子のハンマー』で日推理作家協会賞。

2008年『新世界より』で日本SF大賞。

2011年『ダークゾーン』将棋ペンクラブ大賞特別賞。『悪の教典』で山田風太郎賞を受賞し、同年、宝島社「このミステリーがすごい!2011」国内編第1位、週刊文春「2010年ミステリーベスト10」国内部門第1位に選ばれる。

 

代表作…『悪の教典』『硝子のハンマー』『鍵のかかった部屋』

 

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『黒い家』考察

『黒い家』考察

 

本作は、逆恨みした保険金殺人犯によるサイコホラー。

保険会社に勤める主人公としては業務をまっとうしているだけなのですが、犯人にとっては弊害でしかないわけですよね。

幸子が独り言を呟くシーンがあり、それが超怖い。

「人がおまんま食うのを邪魔さらす…」

「保険会社が金儲けとるくせに…」

「ちょっとくらいの金、黙って払ろたらええんじゃ…」

「なますにしたるわ…」

 

こういう逆恨みって、運が悪いと出くわしそうで現実的にあり得る分怖いですよね。

一人暮らしの中、夜な夜な読んでいたら、ちょっとした物音でビクッとなります。

そんなホラーを体験したいあなたにぜひおすすめです。

 

以上、逆恨みを受けたときに読むホラー小説として貴志祐介『黒い家』をご紹介しました。

最後までお読みいただきありがとうございます。

それでは、素敵なよりみちライフを。