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カフカ『変身』虫のように扱われ不条理を感じたときに読む小説

カフカ『変身』虫のように扱われ不条理を感じたときに読む小説
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こんにちは、宮比ひとしです。

本日は、カフカ『変身』虫のように扱われ不条理を感じたときに読む小説」としてを紹介します。

 

虫のように扱われ不条理を感じたときに読む小説

虫のように扱われ不条理を感じたときに読む小説

 

みなさん、今の自分ではない何かに変身してみたいって思ったことありますか?

 

宮比は鳥になって「悲しみのない~、自由な空へ~、翼はためかせ~」つって、青空を駆け巡りたいって思うことがしばしばあります。

他に、仮面ライダーや戦隊シリーズといったヒーローにも憧れましたね。

超人になって正義のために戦うってカッコいいじゃないっすか。

 

逆に、変身したら困るってのありますか?

 

宮比はたくさんありますね。

挙げ出したらキリがないくらい。

例えば、ある朝起きると自分の身体が虫になっていたらどうでしょう。

ゾッとしますね。

突然そんなことになって、家族から冷たくあしらわれたら不条理だと思いますよねー。

 

さて、そんな「虫のように扱われ不条理を感じたときに読む小説」を紹介します。

本日のよりみちブックはこちら。

 

『変身』

 

作者…フランツ・カフカ

 

訳者…高橋 義孝

 

ジャンル…シュール、ドイツ文学

 

ボリューム 

 

難易度 

 

『変身』登場人物

『変身』登場人物

 

グレーゴル・ザムザ

ある朝、目覚めると虫に変身してしまっていた青年

 

変身したザムザの姿を見て驚愕する父親

 

『変身』あらすじ

『変身』あらすじ

 

布地の販売員をしている青年グレーゴル・ザムザ

ある朝、自室のベッドで目を覚ますと、自分が巨大な虫になってしまっていることに気が付く。

突然の出来事に戸惑いながらも、彼は身動きのとれない姿勢のまま、販売員の仕事に対しての不満を募らせていた。

 

出張が多いこと。

顧客もめまぐるしく変わり、しっかりした人付き合いができていないこと。

早起きしなければいけないこと。

 

けれども、両親の商売が失敗したことでの多額の借金があり、それを返済するまで辞めるわけにはいかなかった。

そうしている間、出張の出発時間が過ぎてしまっていた。

 

心配する家族がドアの向こうから声をかけるが、グレーゴルの返事はどうやら通じないようだった。

彼は部屋のドアまで何とか這いずり、苦労して鍵を開ける。

目の前に現れた虫の姿に家族は驚愕した。

 

そして、ステッキを握りしめたが……

 

『変身』作者

カフカ

 

フランツ・カフカ(Franz Kafka

1883年7月3日-1924年6月3日

チェコ出身

小説家

 

オーストリア=ハンガリー帝国領プラハにおいてユダヤ人の家庭に生まれる。

プラハ大学で法学を専攻し、卒業後は保険局員として勤めながら執筆活動を行う。

膨大な日記や恋人への手紙とは裏腹に著作は少なく、未完となっているものも多い。

 

代表作…『審判』『城』

 

『変身』考察

『変身』考察

 

あらすじを読んで、頭の中にハテナがいくつくらい浮かびました?

 

朝起きて自分の身体が虫になっていたら、普通はびっくり仰天しますよね。

どうして虫に変身してしまったんだろう。

これからどうしたらいいのか。

って主人公は思い悩み、虫になった理由が明らかになる展開を予想しちゃいそうなところですけど、物語では全く明らかにされません。

家族も一切究明しようとはしません。

 

主人公のグレーゴル・ザムザは虫になったことそっちのけで普段の仕事の不満を募らせちゃったりします。

そりゃもうシュール。

けど、読み進めていくうちに知らず知らずシュールな世界観にどっぷり浸かっちゃってます。

 

『変身』は不条理文学とうたわれています。

不条理とは、絶望的な状況や人生に意義を見いだせないことを指しますね。

 

 

なぜ、この物語が不条理なのか。

宮比はこう考えます。

 

突然、虫に変身してしまうことは絶望的なことです。

しかし、それに並行して人間だった頃の日常的に億劫なことを思い悩んでいます。

これは誰しも経験することではないでしょうか?

 

毎日の生活に嫌気がさしたり。

人と顔を合わせることにげんなりしたり。

朝早起きしなければいけないことが世の終わりかのように感じたり。

 

そんな経験きっとありますよね。

はい。あなたもグレーゴルと一緒。

 

虫への変身を通して、あなたのまわりにもある些細なこと、日常的な不条理を描いているのではないでしょうか。

この後の家族とのやりとりも不条理といえますし、読者により感じ方は様々かと思います。

 

ちなみに、虫に関する描写がほぼ皆無です。

どのような虫を想像するのかは、読者に委ねられているわけですね。

 

芋虫? ゴキブリ?

なーんて想像しながら読むのは、小説の醍醐味ですよね。

ちなみに宮比が想像したのはこちら。

 

セル抜け殻(『ドラゴンボール』より)

 

そう。

セルの抜け殻ですね。

もうね。読んでる最中、これがずっと頭から離れなかったです。

読む人によって、委ねられた虫の姿。

どんな虫を想像するかは、あなた次第。

 

 

本日は、「虫のように扱われ不条理を感じたときに読む小説」としてカフカの『変身』を紹介しました

興味が湧きましたら、ぜひ手に取って読んでみてください。

 

朝、目をさますと巨大な虫に変っている自分を発見した男―― グレーゴル・ザムザ。第一次大戦後のドイツの精神的危機を投影した世紀の傑作。ある朝、気がかりな夢から目をさますと、自分が一匹の巨大な虫に変わっているのを発見する男グレーゴル・ザムザ。なぜ、こんな異常な事態になってしまったのか……。謎は究明されぬまま、ふだんと変わらない、ありふれた日常がすぎていく。事実のみを冷静につたえる、まるでレポートのような文体が読者に与えた衝撃は、様ざまな解釈を呼び起こした。海外文学最高傑作のひとつ。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、素敵なよりみちライフを。