小説の書き方

【小説の書き方】初心者向けジャンルの決め方

【小説の書き方】初心者向けジャンルの決め方
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こんにちは、宮比ひとしです。

この記事では、小説の書き方における初心者向けジャンルの決め方についてご紹介します。

 

小説のジャンルとは

小説のジャンルとは

 

小説のジャンルとは物語の内容ごとに分類する場合に用いられる言葉のことです。

 

ジャンルを直訳すると部門、種類という意味があります。

絵画や彫刻など芸術作品を内容や様式によって区分する場合に使用することが多いです。

 

しかし、現代芸術においてジャンル分けが困難になっている現状があります。

これは小説に限った話ではなく、芸術文化が成熟してくるにしたがい明確に分類することができない多種多様な作品が多く生み出されてくるためです。

 

小説のジャンルを決める重要性

小説のジャンルを決める重要性

 

なぜジャンルを決めることが大切なのかというと、方向性を見失わないための道しるべとするためです。

小説を書く上で方向性を定めることは重要で、これが不明瞭だと、せっかく出来上がった小説もあらためて読んでみると、一体なにを伝えたいのか分からないあやふやな内容となってしまうからです。

これについては、以前の記事でもあったテーマを見つける重要性と同様のことがいえます。

【小説の書き方】初心者向けテーマを見つける3つの手順
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また、文学賞を狙う場合、そのほとんどがジャンルごとの募集となっています。

〇〇ミステリ賞だとか、〇〇ホラー大賞だとかよく耳にしますよね。

つまりジャンルを理解せずに応募してしまうと、子どもがいない家庭に育児教材をセールスにいくようなもので、受賞する可能性はほぼ皆無といっていいでしょう。

文学賞を獲るなら、最低限、各賞がどのジャンルを求めているか調べた上で応募する必要があります。

 

小説の主要ジャンル6選

小説の主要ジャンル6選

 

それでは、小説のジャンルを以下の6つに分類し、ご説明します。

 

1.恋愛小説

2.ミステリ小説

3.歴史・時代小説

4.ヒューマン小説

5.SF・ホラー小説

6.ファンタジー小説

 

「これだけ? 小説のジャンルって、もっとたくさんあるよね。ちょっと手抜きしないでよ」って思われる方もいるかもしれませんが、どうぞこちらをご覧ください。

 

1.アクション小説

2.SF小説

3.学園小説

4.官能小説

5.経済小説

6.ゴシック小説

7.コメディ小説

8.サスペンス小説

9.時代小説

10.書簡体小説

11.推理小説

12.スポーツ小説

13.政治小説

14.日記体小説

15.パロディ小説

16.ファンタジー小説

17.風刺小説

18.フェミニスト小説

19.武狭小説

20.冒険小説

21.ボーイズラブ小説

22.ホラー小説

23.メタフィクション

24.百合

25.ライトノベル

26.歴史小説

27.恋愛小説

28.ロマン・ノワール

 

小説のジャンルをWikipediaで調べると、その結果28種類ございます。

さきほども述べたように、現代において多種多様な作品がジャンル分けされています。

ただ、これらを全て把握し、ひとつひとつ当てはめることが小説を書く上で必要かというとそうではありません。

ですから、主に重要なジャンルだけを厳選し、説明していきます。

 

恋愛小説とは

 

恋愛小説とは男女または同性間での恋愛を扱った小説のことです。

恋愛体験やそれにまつわる事件、純愛や不義の愛についての物語が多いでしょう。

いつの時代にも恋は存在し、ときに苦しく切なく狂おしく、想いの相手と結ばれたとしたらこの上とない幸福感をもたらします。

また、誰しも経験可能な、現実的で身近なジャンルといえます。

 

恋愛小説を書くにあたってのポイントは、リアルな恋愛描写とキャラクター造形です。

現実的で身近なジャンルであるがために想像しやすく、リアリティが欠けると読者は一気に白けてしまいます。

舞台や時代設定は非現実的だったとしても問題はありませんが、恋愛描写において心情の変化があまりに突飛であったりするとご都合主義いう印象を植えつけてしまいます。

 

キャラクターの造形については、どういう主人公がどういったヒロインに恋をするのかが小説の根幹となります。(主人公が客観的な立ち位置となる場合もありますが)

読者が共感や感情移入ができる二人でないと、胸を打つことはありません。

例えば、結婚式に招かれたとして、ほとんど面識がなく気が食わない親族よりも親しい友人の方が感動するように、読んでいるうちに思わず応援したくなったりやハラハラできるようなキャラクターであることが重要です。

 

また、自身の恋愛経験はリアリティを与える財産となります。

ときには人には面と向かって言えないような内容を赤裸々にすることも大切です。

ただし、実体験を追求するあまり、自身が心酔してしまうようではいけませんので、客観的に見つめつつ読者が共感できる内容としましょう。

 

ミステリ小説とは

 

ミステリ小説とはある事件の謎を解き明かす小説です。

このジャンルは多種多様で、複雑にいりくんだ事件やトリックの謎を理論詰めて解いていく過程に重きを置いた本格推理、いわゆる名探偵と呼ばれる魅力のあるキャラクターの推理力を魅せる探偵小説といった古典的なものから、他に社会の問題点や矛盾を扱ったものや、刑事や警察もの、観光地を舞台にした旅情ものなど多くの小説があります。

 

ミステリ小説を書くにあたってのポイントは、奇抜なトリックや謎解きの構想と得意分野の構築です。

読者がミステリに求めるもののひとつは、トリックが解けたときの爽快感といえます。

トリックや解き方が思いもよらない奇抜なほど爽快感があります。

ただ、謎が難しければいいというものでもなく、推理するヒントが少ないとアンフェアな印象となるので、解けるだけのキーワードを散りばめ、解決したときに「なんで気づかなかったんだろう」と思うくらいの絶妙なバランスである必要があります。

 

また、自分が得意あるいは身近な分野を構築することで他とは違った真新しい小説となるでしょう。

日常には様々な謎であふれています。

例えば、あなたが高校野球部ならば部室でバットが紛失した物語、看護師ならば医療ミスの原因を探る物語といった具合に、自分にとって得意で身近な分野でミステリ仕立てにするとよいでしょう。

 

歴史・時代小説とは

 

歴史小説とは、歴史上の事柄を扱った小説です。

時代考証し、実際に起こった歴史上の出来事や人物についての物語をさします。

時代小説とは、舞台となる時代が過去である小説です。

歴史小説と似通っていますが、違いは史実に忠実でなくてもかまいません。

 

歴史・時代小説を書くポイントは、史実に対する深い知識ともしもの想像力です。

史実に裏付けされた知識をどう膨らませて物語としていくかが重要です。

まずは関心のある歴史上の事実に対して、様々な文献を読んだり、専門的な知識を得ることです。

ネットなどで簡単に手に入るものではなく、マニアックなものほど付加価値が高まります。

検証する中で、自分なりの歴史観が構築されていくでしょう。

 

時代小説に限っては史実に忠実ではなくてもいいため、もしもこうだったらという想像力を膨らませた物語であると面白みが増します。

例えば、実は織田信長が女だったり、生きていて天下統一に闘志を燃やすなど、荒唐無稽な展開でも過去の時代としてリアリティが破錠していなければ問題ありません。

 

ヒューマン小説とは

 

ヒューマン小説とは、人間の心に焦点をあてた小説です。

友情や家族愛といった温かさ、自己犠牲や助け合いの精神といった人の心の美しさを表現した物語のことをいいます。

災害や闘病といった何かしらの困難を協力して乗り越えるストーリーが多いのが特徴です。

 

ヒューマン小説のポイントは、リアリティのある人間愛を描くことです。

人間の心は善悪が内在し、清らかなだけでなく汚れた面もあります。

単純に美しいエピソードだけ書き連ねても、登場人物やストーリーに深みがなくなり、嘘っぽい出来栄えとなってしまいます。

例えば、CGで作成したきれいな風景よりも、天候が冴えなく見通しが悪くても実物の方が感動するように、リアリティが重要となってきます。

 

SF・ホラー小説とは

 

SF(サイエンス・フィクション)小説とは、科学的な論理に基づいた現実では起こりえない小説です。

現実的ではないけれど科学に依拠し、ありそうな話でなければいけません。

近年の科学技術の進歩で、今まで不可能とされていたものが可能となり、フィクションとしての成り立ちが難しくSF本来の分類から外れてしまうものが山積している現状です。

 

ホラー小説とは、人間の恐怖を描いた小説です。

心霊や悪霊といった怪奇現象、怪談が古典的ですが、最近では現代社会ならではのコンピューターやテクノロジーの恐怖を扱ったものが多くあります。

 

SF小説とホラー小説のポイントは、豊富な知識と説得力のある描写です。

フィクションとされる分野を扱うため、前述の恋愛、ミステリ、歴史・時代、ヒューマン小説に比べ、読者を引き込ませるだけの豊富な知識が必要となります。

科学、機械、システム、生命科学、バイオテクノロジー、心霊、悪霊、邪霊、心理学など幅広い知識を身につけることです。

また、読者は非現実という前提で読むことになるため、ありえるかもしれないと信じ込ませる説得力ある描写も伴っていなければなりません。

 

ファンタジー小説とは

 

ファンタジー小説とは、幻想的な世界観の小説です。

ファンタジーを直訳すると空想、幻想といった意味があります。

このジャンルはルールが皆無といっていいでしょう。

時間や空間といった制約もなく、動植物や物質の概念も捻じ曲げてかまいません。

 

ファンタジー小説を書く上でのポイントは、豊かな世界観の構築です。

時間を戻したり、瞬間移動したり、馬が喋ったり、木が走ったりしても問題はありません。

なにもルールが存在しない反面、常識にとらわれないアイデア豊かな世界観が必要となり、またそういった物語の方がファンタジーとしては魅力的となるでしょう。

 

ジャンルの決め方

ジャンルの決め方

 

ジャンルの決め方自分のテーマにとってどれが一番効果的に伝わるのか考慮して選ぶのが良いでしょう。

 

テーマは作者が訴える心のメッセージです。

どのジャンルにすればメッセージがより伝わるのか、ということですね。

例えば、テーマが「結婚する幸せ」ならば恋愛、「宇宙の神秘」ならばSFがオーソドックスといえるでしょう。

テーマによっては、ひとつに絞り込むことが困難な場合はかけ合わせても問題ありません。

「恋愛+ファンタジー」や「ミステリ+歴史」などですね。

長編になるにしたがってジャンルに分類することは難しくなるため、必然的にそうなる傾向があります。

 

また、どれに当てはめていいのか判断できないテーマもありますね。

「生きる目的」や「幸福の在り方」といったテーマだと、どのジャンルにも当てはまりそうで悩ましいところです。

そういった場合は、単純に自分自身が好きな小説から決めてみてもいいでしょう。

恋愛小説に興味があって今までたくさん読んでいるなら恋愛、ミステリ小説が好きだとしたらミステリをジャンルに選ぶという手法です。

ミステリだとしたらトリックや謎解き要素をいれる必要がありますが、もともと好きで多くの小説を読んでいるとそのハードルも下がります。

 

これらを総合的に踏まえ、テーマを伝えるにあたってどのジャンルが最も効果を発揮するのかを熟考し、 ジャンルを決めることが大切です。

 

 

以上、小説の書き方における初心者向けジャンルの決め方をご紹介しました。

本日は最後までお読みいただきありがとうございます。

それでは、素敵なよりみちライフを。