こんにちは、宮比ひとしです。
この記事では、小説の書き方における初心者向けテーマを見つける3つの手順についてご紹介します。
小説のテーマとは
小説におけるテーマとは作者が訴える心のメッセージです。
テーマとは、一般に「行動や創作などの基調となる考え」「主題」「題目」といった意味があります。
このブログを読んでいるということは、思い入れの強弱はあるにせよ、小説を書こうという意思が少なからずありますよね。
では、なぜあなたは小説を書こうと思うのか?
・ドキドキするような素敵な恋愛を読者に体験してほしい。
・社会に対する怒りや不満があって問題提起したい。
・自身の苦悩や葛藤を表現したい。
理由は様々あるでしょうが、なんの目的もなく小説が出来上がることはありえません。
自分自身かもしれないし、他の読者に対してかもしれないですが、そこには何かしらあなたが訴えたい心のメッセージがあるからなのです。
小説のテーマの重要性
テーマは小説を書く上で道しるべの役割を果たすため重要です。
小説のテーマ=作者が訴える心のメッセージであるなら、「テーマを見つけたり、決めたりする必要ないじゃん。心の思うままに言いたいこと書き連ねていけばいいよね」って思うかもしれませんが、答えはノーです。
人の心は、暗く見通しの悪いモヤのようなものです。
そのモヤの中をやみくもに歩いていても、目的の場所には到着できません。
テーマを明確にすることで道しるべの役割をなし、あらぬところに迷い込むことを防いでくれます。
あなたが小説を通して何を訴えたいのか。どんなメッセージを込めたいのか。
それらをテーマによって明らかにすることで、より効果的な登場人物や舞台設定を描けるようになるのです。
とくに書いた小説を他者に読ませることを意識するならば、訴えたいメッセージがより鮮明に、分かりやすくなるようにする必要があります。
テーマがしっかりと決まっていないと、作者の気分によって物語の展開が左右されたり、不必要なキャラクターがたくさん出てきたり、恋愛&ミステリ&SF&ホラーなど多くの要素が混在して、なにを伝えたいのか分からないカオスな作品となりかねません。
「テーマに沿った小説なんてつまんないね。カオス状態こそ一種の芸術なのさ」
なんて意見もあるかもしれません。
プロの小説家なら一つの作品として仕上げる技術もありますが、初心者には非常に困難なので道しるべとなるテーマを決めたうえで小説を書き始めることが大切です。
小説のテーマを見つける手順
小説のテーマの見つける方法を3つの手順に沿ってご説明します。
テーマの重要性をご理解いただけたところですが、いきなり探せといっても、なかなか見つけられないものですよね。
小説を書くことは、料理を作ることに似ています。
あなたが初めて料理を作るとき、「なに食べようかな」「これなら自分でも作れそうかな」って思い浮かべながら、献立を考えますよね。
カレーライスに決めたとしたら、レシピを調べそれに沿った食材を買い、調理します。
三回、四回と作り、慣れてきたら人参をナスに替えてみたり、はちみつを加えてみたり、自分や相手の好みに合わせてアレンジするでしょう。
小説も同様です。
レシピなしで料理を作ることが初心者にとって困難なように、小説も土台となる基本的なジャンルや考え方があります。
今まで読んだものや本棚にある小説から「こんな小説書きたいな」「これくらいの文章量なら書けるかな」と振り返ってみましょう。
それがテーマを決める手がかりとなります。
ここから、小説のテーマの見つける3つの手順をご説明します。
着想を得る
まず、はじめに着想を得ることです。
料理でいうところの「今夜なにを食べよう」と思い浮かべる段階。
フランス料理食べたいけど作れないからというように知識や技術がないからと尻込みするのではなく、あまり難しいことは考えず「こんな小説があったら面白いな」くらいの感覚で、自身の感情と素直に向き合えればよいです。
既存のジャンルや考え方に必要以上にとらわれる必要はありません。
料理で自分のアレンジを加えるように、自由な発想で書くことは大切であり、それがいずれあなたしか書けない独創的な小説を生むことになるからです。
ここでのポイントは、日常での発見や思いつきを大切にすることです。
いざ着想を得ようと思ってみても、案外なかなか出こないものなんですよね。
帰宅途中に美味しそうなカレーの匂いが漂ってきて、食べたくなったから今夜の夕飯をカレーライスにした、というように小説の着想も日常の生活からふと思い浮かぶものです。
そして、日常での発見や思いつきがあったら、常識の制限をなくしてみるといいでしょう。
常識の制限とは現実世界における様々な法則のことであり、それら法則を無視するのです。
時間の制限をなくして現在の出来事を過去や未来に置き換えてみることや、場所の制限をなくし日本での出来事を海外や宇宙に置き換えてみましょう。
着想を得る流れ
こういった具合に着想から制限をなくすことで、想像力がだんだんと豊かになり、あなたが書きたい小説テーマの着想を得るきっかけとなるでしょう。
イメージを膨らませる
つぎに、イメージを膨らませることです。
料理でいえば、「カレーライスが食べたいな」から「サラダを添えよう」「カレーに合う素敵な食器に盛ってみよう」「家族と一緒に食べよう」と、ただ食べるという行為だけではなくそれに付随する物事について想像してみることですね。
イメージとは目の前に存在しない物事を思い描くこと。
モヤモヤとした粘土細工のような着想を、イメージで形作っていく感覚です。
登場人物や舞台、ストーリーと空想のなかで展開していきましょう。
イメージを膨らませる流れ
ここでも、固定観念や常識にとらわれないことが重要です。
「人間は宇宙空間では呼吸できない」「無重力なのにテニスなんておかしい」などと思い込まないこと。
宇宙空間で呼吸できる人間がいてもいいし、テニスができてもかまわないのです。
ただ、そこには必然性とリアリティがなければ深みのない小説となってしまうのですが、これについては長くなるので別の機会に説明します。
テーマを決める
最後にテーマを決めることです。
この記事の最終目標にあたるわけですが。料理でいうところの「どんなカレーライスを作り、それを本当に食べたいか」と自問する作業となります。
冒頭で述べた、小説のテーマについて振り返ってみましょう。
小説のテーマ=作者が訴える心のメッセージでしたね。
着想からイメージしたものが、あなたにとって小説という媒体を通して訴えたいメッセージとなるのか、もう一度考えてみるのです。
料理ではカレーライスを作ろうとしてラーメンができることはありませんが、小説は違います。
いざ完成してみるとカレーライスではない何か違う物が出来上がっていることがよくあります。
その原因は、食材ではなく目に見えない想像の産物から小説は成り立っているからです。
テーマは小説を書き進めるための道しるべです。
不明確なまま進めてしまうと、出口のない迷路に迷い込んでしまいます。
あるいは出られたとしても、そこはあなたの求めていた行き先とは違う可能性が大きいでしょう。
テーマを決める流れ
テーマと決めかねるようでしたら、もう一度着想の段階に戻ってみましょう。
着想→イメージを重ねることで、しだいにテーマが鮮明になっていくでしょう。
以上、小説の書き方における初心者向けテーマを見つける3つの手順をご紹介しました。
本日は最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは、素敵なよりみちライフを。