こんにちは、宮比ひとしです。
本日は、三浦しをんの『舟を編む』を、「辞書作りの仕事をしたい時に読む小説」としてを紹介します。
辞書作りの仕事をしたい時に読む小説
世の中って、いろんな職業があるじゃないですか。
身近な人が勤めていたり、ドラマやニュースで取り上げられてるのだと、わりと想像しやすいですが、マイナーな仕事だったりすると説明されてもピンとこないことってたくさんありますよね。
自分の可能性や視野を広げたい。
興味があるけど、実際の仕事内容がよく分かんないからもっと知りたい。
そう思うことってないですか?
今回の小説で取り上げる職業は、辞書作りをする出版会社の編集部。
パソコンやスマホでネットに繋げば、知らない言葉があっても、ひょいひょいと検索しちゃえるこんな時代だからこそ、辞書の重みを感じることがあります。
言葉の一語一句を大切にしたい。
言葉の海を探求したい。
こんな熱い思いを胸に秘めた人達によって辞書は作られるのです。
そこには一体どんなドラマが秘められているのか、興味が湧きますよね。
さて、そんな「辞書作りの仕事をしたい時に読む小説」をおすすめします。
本日のよりみちブックはこちら。
『舟を編む』
作者…三浦 しをん
ジャンル…エンタメ、恋愛
ボリューム
難易度
『舟を編む』登場人物
馬締 光也(まじめ みつや)
言語感覚の鋭さから辞書編集部に招かれた青年
荒木 公平(あらき こうへい)
定年を前にした玄武書房辞書編集部のベテラン
西岡 正志(にしおか まさし)
言葉への関心が低く軽薄な若者であるが、次第に辞書作りに情熱を注ぐようになる編集部員
佐々木 薫(ささき かおる)
事務作業をこなす中年女性
『舟を編む』あらすじ
辞書の編纂にあたる編集部の物語。
出版社「玄武書房」では、中型の国語辞書である『大渡海』の刊行を企画していた。
しかし、利益が少ない辞書作りの編集部は人手不足。
間も無く定年に至るベテランの荒木公平は『大渡海』が企画途中のまま後継者がいないことが心残りであった。
そんなときに営業部に所属している馬締光也が頼りなさそうな外見であるものの、鋭い言葉の感性を持ち合わせてることを知る。
荒木の交渉により、馬締は辞書編集部に迎えられることとなった。
西岡正志や佐々木薫など、個性的なメンバーとともに長年に渡る『大渡海』の編纂が始まる……
『舟を編む』作者
(新潮社ホームページより)
三浦 しをん(みうら しをん)
1976年9月23日-
東京都出身
小説家
1999年早稲田大学第一文学部を卒業。
外資系出版社の事務のアルバイトをするものの3カ月で辞め、その後は町田駅前の書店で勤務。
また、就職活動中に知り合った早川書房の村上達郎から勧められ執筆。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞する。
代表作…『まほろ駅前多田便利軒』『風が強く吹いている』『舟を編む』
『舟を編む』考察
タイトルにある舟とは、辞書のことです。
そして、乗り越えるは言葉の海。
広大な海のような言葉の数々を辞書という舟で乗り切ろう、と言った意味のタイトルですね。
分からない言葉があっても、パソコンやスマホが手元にあれば、ネットを通じて手軽に調べられる時代。
けれども、不確かな情報も散乱しています。
本作は編纂に携わる方達のおかげで信頼性のある辞書ができる様子が克明に描かれています。
辞書作りって地味な仕事かと思いがちですが、十数年と長い年月を経て、ようやくひとつの辞書が出来上がるわけです。
それにかける編集部の情熱や執念がひしひしと伝わってきます。
また、キャラクターがコミカルで親しみが持て、読みやすいかと思います。
主人公である馬締の恋愛ストーリーや辞書作りの継承といったテーマもこの作品の見どころです。
ちなみに、あなたが「読んでみたい」って、つい手に取ってしまう本ってどんなのですか?
「その作者が好き!」
「カバーのイラストがキレイ!」
「最近話題になってるから!」
人それぞれ惹かれるポイントはいろいろあると思いますが、宮比の場合タイトルに惹かれて手に取ることが、度々ございます。
書店をフラフラ歩いてて、ふとタイトルを見た瞬間、感電したかのようにビビッときたりね。
まあ、一目惚れみたいなもんです。
『舟を編む』も、タイトルに惹かれたことがきっかけだった一冊。
以上、「辞書作りの仕事をしたい時に読む小説」として、三浦しをんの『舟を編む』を紹介しました。
興味が湧きましたら、ぜひ手に取って読んでみてください。
また、漫画化もされています。
さらに、映画化もされています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは、素敵なよりみちライフを。