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奥田英朗『イン・ザ・プール』プールで泳ぎたいときに読む小説

奥田英朗『イン・ザ・プール』プールで泳ぎたいときに読む小説
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こんにちは、宮比ひとしです。

本日は、奥田英朗『イン・ザ・プール』を、プールで泳ぎたいときに読む小説として紹介します。

 

プールで泳ぎたいときに読む小説

プールで泳ぎたいときに読む小説

 

かっぱえびせんばりに、やめられない、とめられない。

「水に浸かりたい、早く泳ぎたい、プールが休みなんて堪ったもんじゃない。こうなったら忍び込んででも泳いでやるぜ!」って思ったことないですか?

 

思ってる人は明らかにプール依存症ですね。間違いない。

思ったことなくても、こんなページに開いちゃってるくらいだから予備軍ですよ。間違いない。

ひょんなことがきっかけでハマったりしますからね。しっかり対策しておかないと水泳の魅力に憑りつかれエライことになるかもしれませんよ。間違いない。

 

宮比はジムに通っていたことがあって、当時は毎週プールで泳いでました。

「学生の頃はプールそこまで好きでなかったし、夏は毎日水泳だなんてやってらんねー、裸足でコンクリート熱すぎるぜ」なんて思ってました。

けど、大人になって水に浸かる機会が減ると、泳ぐのって妙に快感なんですよね。

はい、軽いプール依存症でしたね。

 

依存しちゃうと、プールが休みだったり用事があって出来ないとき何か調子が狂うんですよね。

しっくりこないっつーか、陸上になじめないつーか、水中こそ真価を発揮するつーかね。

もはや、魚人かトリトンかってくらいね。

 

で、そうなってくると、プールを優先してスケジュール組んだりするわけですよ。

誰と競うでもないのに高価な競泳用のパンツ買ったり、ストロークの研究したりね。

どこ目指してんのって感じなわけですよ。

そういうのって、次第に人間関係まで及んでくるわけですよ。

恋人に「泳ぎたいから今度会えないや。メンゴ」って平気で言っちゃうようになっていたら末期ですね。

 

さて、そんなあなたにプールで泳ぎたいときに読む小説を紹介します。

本日のよりみちブックはこちら。

 

『イン・ザ・プール』

 

作者…奥田 英朗

ジャンル…エンタメ

ボリューム 

難易度 

精神依存度 

中年度 

スイマー度 

 

『イン・ザ・プール』登場人物

『イン・ザ・プール』登場人物

 

大森 和雄(おおもり かずお)

出版社に勤務する38歳の会社員

 

尚美(なおみ)

和雄の妻

 

伊良部 一郎(いらぶ いちろう)

35歳の色白で太った伊良部総合病院の精神科医

 

マユミ

伊良部とともに精神科に勤める愛想のない美人看護師

 

『イン・ザ・プール』あらすじ

『イン・ザ・プール』あらすじ

 

出版社に勤務する大森和雄は、一月前の夜中に急に胸が苦しくなり呼吸困難に陥った。

内科を受診しレントゲンや尿検査をするも異常は見つからず、紹介されたのが伊良部総合病院の地下にある神経科。

恐る恐るドアをノックすると、「いらっしゃーい」と甲高い声に迎えられる。

 

中にいたのは、35歳の色白で太った精神科医である伊良部一郎と、愛想のない美人看護師マユミだった。

症状が妄想の類でないと分かるや、伊良部はがっかりとし、不定愁訴(ストレス性の体調不良)と結論づけた。中年のハシカのようなもので、ストレスは人生について回るものだから原因を探ることはしないと断言。

そして、鼻をほじりながら、運動でもした方がいいと勧めた。

 

あらためて考えると和雄の食生活は不規則だし、運動もしていなかった。

あれこれと検討するうちに、泳ぎは子供の頃から得意だったし、膝や腰にも負担が少ないとの理由で水泳をすることに決めた。

さっそく、区民体育館の室内プールで泳ぎはじめると、自然と笑みがこぼれてきた。

水は気持ちよく、近年味わったことのない幸福感に満たされていくのだった。

 

書店で水泳特集の雑誌を探しては自分のフォームを研究したり、オフィスで仕事をしていてもプールのことが頭から離れなくなったり、そのことが原因で妻の尚美とケンカすることとなる。

次第に、プールに依存していく和雄に伊良部は共感して、夜中に忍び込んで泳ぐことを提案し……

 

『イン・ザ・プール』作者

『イン・ザ・プール』作者

 

奥田 英朗(おくだ ひでお)

1959年10月23日-

日本・岐阜出身

小説家

 

プランナー、コピーライター、構成作家として活動。出版社へ持ち込み、1997年『ウランバーナの森』にてデビューする。

2002年に『邪魔』で大藪晴彦賞、2004年に『空中ブランコ』で直木賞、2007年に『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年に『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞をゲット。

スポーツや旅を主題にしたエッセイも手がける。

 

代表作…『最悪』『空中ブランコ』『オリンピックの身代金』

 

『イン・ザ・プール』まとめ

『イン・ザ・プール』まとめ

 

水泳って体への負担も少ないし、自分のペースに合わせることができるから運動不足には最適ですよね。

適度な運動でスッキリ、気分爽快。

でも、予定や休館の都合で行けない日が続くと、それがまたストレスになったりして。

 

あらすじ読んで和雄のことを我が身のように感じて青ざめてる、そこのあなた!

伊良部一郎が待ってますよ。

変わり者で、治療してるんだか、プールを一緒に楽しんでんだか分かんないけど、プール依存の解決の糸口が見つかるかもよ。

 

ちなみに、映画化もしています。

イン・ザ・プール

 

監督:三木聡
出演
伊良部一郎(松尾スズキ)
"プール依存症"のエリート管理職・大森和雄(田辺誠一)
24時間勃ちっぱなしという"継続性勃起症"の営業マン・田口哲也(オダギリジョー)
確認行為を極度に習慣化してしまう"強迫神経症"のルポライター・岩村涼美(市川実和子)

 

また、オーディオブックもあります。

つきねこ 朗読CD イン・ザ・プール

 

出演
まどか(CV.今井麻美)、ゆうき(CV.喜多村英梨)、さつき(CV.阿久津加菜)、のぞみ(CV.五十嵐裕美)、サトシ(CV.市来光弘)、ガイネ(CV.越田直樹)、バーバラ(CV.桑門そら)、しのぶ(CV.森谷里美)、ジュリア(CV.山本綾)、J太(CV.坂巻学)、他

 

きわめつけに、朗読版もあります。

イン・ザ・プール(前)

 

 

イン・ザ・プール(後)

 

再生時間:(前)1時間、(後)1時間9分

ナレーター:ささき のぞみ

出版社:オトバンク

 

 

以上、プールで泳ぎたいときに読む小説として、奥田英朗『イン・ザ・プール』を紹介しました。

興味が湧きましたら、ぜひ手に取って読んでみてください。

 

体調不良のはずが水泳中毒に、ケータイがないと冷や汗がでる、勃起して、ずーっとそのまま直らない。藁をもつかむ思いで訪れた神経科で患者たちを待っていたのは──とてつもなくヘンな医者だった! カバと見まごう巨体を揺らし、度外れた好奇心で患者の私生活に踏み込み、やりたい放題。でもなぜか病は快方へ……? 続篇『空中ブランコ』で直木賞受賞、現代世相の病理をコミカルかつ軽妙な筆致で描き出す。精神科医・伊良部の突出した存在感が笑いを招く!

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、素敵なよりみちライフを。